中小企業経営者が知っておくべき「賃金動向」と今後の採用・定着戦略

社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。

週末の山梨は地震・台風と自然災害に見舞われ、
不安な状況が続きました。

幸い、大きな被害はまぬがれたものの、
各地での震災の状況を見ていると、
先々、かなり心配な状況のように感じます。

予見できるリスクについては手を打ちながら、
安心、安全な職場づくりは益々重要になりそうです。

【4カ月連続の実質賃金プラス!】
物価高が続く中、「他社はどれくらい賃上げしているのだろう?」
「自社の時給や給与設定は世間とズレていないか?」と悩まれている
経営者の方も多いのではないでしょうか。

2026年6月24日、厚生労働省より「毎月勤労統計調査(2026年4月分確報値)」
が発表されました。

物価の上昇に賃金が追いつかない厳しい状況が長く続いていましたが、
令和8年(2026年)1月分でようやくプラスに転じました。
そこから2月、3月、そして今回の4月分まで4か月連続でプラスを維持している状態です。

上記を踏まえ、今回のデータから見えてくる、中小企業が今すぐ押さえるべき3つの
重要ポイントと、今後の対策をわかりやすく解説します。

【経営者が押さえるべき3つの重要ポイント】
① 「パートの時給」が前年比4.7%増と急上昇
最も注目すべきは、パートタイム労働者の時間当たり給与
(所定内給与)が「1,434円」となり、前年同月比で4.7%増と
大きく伸びている点です。

正社員(一般労働者)の現金給与総額の伸び(4.0%増)と比較しても、
パート・アルバイト層の人手不足と、それに伴う時給の引き上げ競争が
非常に激化していることがわかります。

② 物価上昇に打ち勝つ「実質賃金」のプラス維持
これまで「給与は上がっても物価高に追いつかない(実質賃金マイナス)」
という状態が長く続いていましたが、今回のデータでは実質賃金が前年同月比で
2.0%~2.2%のプラスとなっています。

消費者物価指数の上昇(1.4%?1.5%)を上回るペースで世の中の賃上げが進んでおり、
従業員の「生活を守るための賃上げ」が企業側のスタンダードになりつつあります。

③ 産業間で広がる「賃上げ格差」
業種によって、賃上げの勢いには大きな差が出ています。
自社の属する業界や、採用で競合する業界の動きをチェックしておきましょう。

【中小企業が今とるべき「3つの賃金戦略」】
世の中の賃金がこれだけ上昇している中、自社の給与設定が据え置かれたままだと、
「求人を出しても応募が来ない」「既存の優秀な社員が他社に流出してしまう」
というリスクが急激に高まります。中小企業が今取り組むべき対策は以下の3つです。

1. パート・アルバイトの「時給見直し」は最優先
今回の調査で分かった通り、パートの時給相場は1年前に比べて確実に上がっています。
もし自社の募集時給が地域の最低賃金ラインギリギリのままであれば、まずは近隣の
競合他社の求人票をチェックし、負けない水準(まずは前年比3?4%アップを目安に)
への改定を検討してください。

2. 「基本給(所定内給与)」のベースアップを意識する
今回の統計では、一時的なボーナスだけでなく、基本給にあたる
「所定内給与」が全体で3.3%増(規模30人以上では3.7%増)と
しっかり底上げされています。

社員に「この会社で長く働こう」安心してもらうためには、賞与の増額だけでなく、
少しずつでも基本給のベースを上げる(ベースアップ)姿勢を見せることが
定着率アップに繋がります。

3. 賃上げ原資を確保するための「価格転嫁」
「そうは言っても、うちはこれ以上賃上げする余裕がない……」というのが
多くの経営者様の本音だと思います。

だからこそ、今こそ「自社のサービスや商品の値上げ(価格転嫁)」
に踏み切るタイミングです。

「従業員の生活を守り、人手を確保してサービスの質を維持するために、
価格を改定します」という大義名分は、今のインフレ社会において取引先や
顧客にも受け入れられやすくなっています。

【賃上げは「コスト」ではなく「未来への投資」】
労働人口が減少するこれからの時代、人材は「安く雇える労働力」ではなく、
「企業の成長を支えるパートナー」です。

世の中の賃金上昇の波をチャンスと捉え、適切な賃金設定を行うことで、
他社より一歩リードした採用・定着活動を進めていきましょう。

「自社の給与規程を見直したい」「今の相場に合った評価制度を作りたい」という方は、
ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。

データ引用元 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026年(令和8年)4月分結果確報」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r08/2604r/dl/pdf2604r.pdf

【無料相談受付中】
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★編集後記
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社内的な賃金の決定に回答はありません。
あくまで「社員が働きたい」というモチベーションに
繋がっているかが非常に重要になります。

そうは言っても、近い職場の状況を知りながら
対応する必要はあるので、今回のデータも、
ひとつの参考にして頂ければ幸いです。

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