【社労士が解説】51人未満の事業所も要チェック!社会保険適用拡大の基礎知識と今すべきこと
社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。
最近かなり前に手にしたイーロンマスクの本を改めて読んでいますが、
結局世の中を変えるような働きをする人は、それなりにマンパワーを
かけるということがすごく伝わってきます。
その中で面白かったのが、テスラの工場において、相当ロボット化したものの
「ロボットは融通が利かない」という理由から、結局かなりの工程を人間の
作業に戻したという話です。
AIで人の仕事が代替されるとは言いつつも、やはり人間の仕事が置き換わるのには、
まだ時間ががかかる部分は多くあるように思います。
【そもそも「社会保険適用拡大」とは?(現状のルール)】
厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/
社会保険の適用拡大とは、これまで加入義務がなかった
パート・アルバイトなどの短時間労働者に対し、一定の要件を
満たした場合に厚生年金や健康保険への加入を義務付ける制度です。
現在(2026年時点)のルールでは、「従業員数51人以上の企業
(特定適用事業所)」に勤務し、以下の4つの要件をすべて満たす
短時間労働者が加入対象となっています。
◆現在のパート・アルバイトの社会保険加入4要件
・週の所定労働時間が20時間以上であること
・所定内賃金が月額8.8万円(年収約106万円)以上であること
・2ヶ月を超える雇用の見込みがあること
・学生でないこと(※休学中や夜間学生などを除く)
※ここでいう「従業員数」とは、現在の厚生年金保険の被保険者数
(一般社員+週の労働時間が正社員の4分の3以上の短時間労働者)
の合計を指します。
【51人未満の企業はいつから対象になる?】
新しく成立した法改正により、これまで適用外だった
「従業員数50人以下の企業」の猶予期間が終わりを迎えます。
企業規模の要件が段階的に縮小され、最終的には完全に撤廃される予定です。
自社がいつから対象になるのか、以下のスケジュールを必ず確認してください。
上記のように、2027年10月には「36人以上」の企業が対象となり、
その後2年〜3年ごとに基準が引き下げられます。
最終的には2035年に規模要件そのものがなくなり、週20時間以上働く
すべての短時間労働者が社会保険の対象となります。
【【さらに重要】「106万円の壁(賃金要件)」も撤廃へ!】
今回の法改正のもう一つの大きな目玉は、加入要件の1つである
「月額賃金8.8万円(年収約106万円)以上」という賃金要件の撤廃です。
これが撤廃されると、「金額にかかわらず、週20時間以上働くパート・
アルバイトは原則全員加入」という極めてシンプルな基準に変わります。
これにより「年収の壁」を意識した就業調整の必要性が薄れる一方、
企業側の保険料負担への影響はさらに大きくなります。
【従業員が社会保険に加入する「メリット」を伝える】
適用拡大にあたり、従業員から「手取りが減るから加入したくない」
と反対されるケースが多々あります。
しかし、社会保険への加入は従業員にとっても非常に大きなメリットが
あります。
会社としては、単に義務だからと伝えるだけでなく、以下のメリットを
丁寧に説明することが重要です。
・将来もらえる年金が増える
老齢基礎年金に加え、老齢厚生年金が一生涯上乗せされて支給されます。
・万が一のときの保障が手厚くなる
病気やケガで障害が残った場合の「障害厚生年金」や、万が一の際に
ご遺族に支払われる「遺族厚生年金」が受け取れます。
・医療保険の給付(手当金)が充実する
会社の健康保険(傷病手当金や出産手当金など)が適用されるため、
病気や出産で仕事を休まざるを得なくなった場合に、給与の約3分の2が
支給されます。
【51人未満の事業所が「今すぐ」始めるべき4つの実務対策】
2027年以降の適用拡大に向け、51人未満の事業主や人事担当者が
今から準備しておくべきステップを解説します。
《ステップ1:対象となり得る従業員の正確な把握》
まずは自社の「現在の従業員数(被保険者数)」を確認し、2027年10月の
「36人以上」などのスケジュールにいつ該当するかを予測します。
その上で、週20時間以上勤務しているパート・アルバイトが何人いるかを
リストアップしましょう。
《ステップ2:法定福利費(会社負担額)のコストシミュレーション》
社会保険料は、原則として「労使折半(会社と従業員で半分ずつ負担)」です。
新たに加入する従業員が増えた場合、会社の法定福利費がどれだけ増加するのか、
事前に試算(シミュレーション)を行い、経営計画や予算に組み込んでおく必要
があります。
《ステップ3:従業員への個別面談と働き方の意向確認》
対象となる従業員に対して、今後の法改正について説明を行い、
「そのまま社会保険に加入して働くか」「労働時間を週20時間未満に抑えるか」
などの意向をヒアリングします。
人手不足の折、無理な働き方の変更を迫ると離職に繋がるリスクがあるため、
時間をかけて話し合うことが大切です。
《ステップ4:就業規則や雇用契約書の見直し》
加入対象者の基準変更に伴い、社内の就業規則(パートタイム労働者就業規則など)
や、個別の雇用契約書の文面を見直す必要があります。
【早めの現状把握を!】
社会保険の適用拡大は、一見すると企業にとってコスト増の厳しい改正に
思えるかもしれません。
しかし、見方を変えれば「手厚い福利厚生をアピールして、優秀なパート・
アルバイトを確保・定着させるチャンス」とも言えます。
「51人未満だからまだ先の話」と先送りにせず、まずは自社の状況を正しく
把握することから始めましょう。
具体的なシミュレーションや、従業員への説明方法、就業規則の改定等で
お悩みの際は、ぜひお近くお気軽にご相談ください。
【無料相談受付中】
お問い合わせは[こちらのお問い合わせフォーム]からお気軽にどうぞ。
☆メルマガはこちらから登録をお願いします!
https://m2-v2.mgzn.jp/sys/reg.php?cid=F312772
—————————————————
★編集後記
—————————————————
適用拡大については一気に話が進んだ印象です
(ちゃんと国の文書を見ていれば、この流れは
既に出来上がっていたと思いますが、、、)。
基本的にはほとんどの方が社会保険に入る世の中になる
という前提で、まあ人件費なりを見ていく必要が出てきそうです。
《人事制度構築士 ブログ(人事評価・賃金制度)》
https://sr-shain.com/jinji_blog/
《フォロー等大歓迎です!》
YOUTUBE https://www.youtube.com/@user-sr3mk5wq6y
LINE @sr-shain
facebook https://www.facebook.com/nakamura.sr
X(twitter) @sr_shain
※本記事の記載内容は、公開当時の法令・情報等に基づいています。
≪免責事項≫
本ウェブサイトに掲載する情報には充分に注意を
払っていますが、その内容について保証するもの
ではありません。本ウェブサイトの使用ならびに
閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。
