自社の「労働時間」わかりますか?

社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。

この秋は、行事がコロナ禍前に戻り、
気づくと毎日、何かしらの行事がある、
というような状況になってきました。

地味にインフルエンザ、新型コロナも出ているようで、
気を付けるべき状況にはありますが、
はっきりマスクを着ける人は減ったと思います。

山梨も観光関係はかなり戻ってきていると聞いているので、
この調子で経済がある程度、良い状況になってほしいものです。

【自社の「労働時間」わかりますか?】
自社の労働時間を、きちんと説明できますでしょうか?

これ、私の経験として、中小企業(特に社員10人未満の会社)で、
きちんとわかる、という会社はほぼないと思っています。

自社でどう労働時間を組み立てるかの前提として、
「法定労働時間」という働かせるための上限があります。

①1日8時間以内
②1週40時間以内

法的には①、②以上に働かせてはいけないことになっているので、
自社の労働時間もこの範囲で収める必要があります。

では、次のようなケースはどうでしょうか?
(1)8ー17時(1時間休憩あり)で週5日勤務
(2)8ー18時(1時間休憩あり)で週5日勤務
(3)8ー17時(1時間休憩あり)で週6日勤務
(4)9-17時(1時間休憩あり)で週5日勤務
(5)8ー16時(1時間20分休憩あり)で週6日勤務

法的に問題ありそうでしょうか?

ズバリ問題があるのは(2)と(3)。
(2)は1日8時間を超えて働かせている。
(3)は1週40時間を超えて働かせている。

(2)の1日8時間以内は、かなり知られていますが、
(3)の1週40時間超は知っていても、
実務的にどう対応するかが分かっていないケースが多いです。

ちなみに(1)は1日8時間で、週5日勤務なので、
ジャスト40時間でOKです。

(4)は1日7時間勤務で、週5日勤務なので、
週35時間勤務で、法的な時間の上限に収まるので、
当然問題ありません。

(5)は週6日勤務ですが、1日6時間40分で、
こちらも週、ジャスト40時間なので問題ありません。
1日を短くして、週の勤務日数を増やすのもありです。

まずは自社の労働時間が1日、週単位でどうなっているか、
確認をしてみてください。

【年間の総労働時間は?】
では次に「1年間で何時間働くか」を知っていますか?
1年変形労働時間制などを取っていなければ、
正確な労働時間を把握していない会社が多いかもしれません。

1日の労働時間についてわからなければ、
当然、年間の労働時間もわからないのですが、
1日がわかっていても、年間を確認したことがない会社が多いです。

これはもう力業(ちからわざ)になりますが(笑)、
一回、1~12月でも、決算期でもよいので、
どこか区切りのいい1年間のカレンダーで実際の休日を確認します。

例えば、土日祝日、夏季・年末年始を休みとした場合で、
カレンダーを作ると、年間120日程度休みになると思います。

1年365日なので、125日を引いた240日が、
「1年間の労働日数」となります。

更に、その240日に1日の労働時間(仮に8時間)をかけると、
「1年間の労働時間」が出ます。
240日×8時間なら、1,920時間となります。

ついでに月の平均労働時間も出してみると、
1,920時間÷12月=160時間となります。

実はこの数字を知らないと、残業代(割増賃金)の計算が出来ないので、
世の中の多くの会社は、残業代の計算が出来ていない可能性が高い、
ということになります。

【月給制の割増賃金の計算?】
皆さんの会社は月額で給料を払っている社員がいますでしょうか?
例えば「基本給 月額24万円」などです。
おそらくほとんどがそういったケースかと思います。

月給者の時間額は上記の月平均(所定)労働時間で、
月給額を割って算出します(これは手当なしの場合)。
具体的には240,000円÷160時間=1,500円

この額に割増率を掛けたりして、割増賃金を出しますが、
逆にいうと、この額を知らないと適正な割増賃金が払えません。

日給者の場合も、1日の金額÷1日の労働時間で、
1時間あたりの額を出します。
1日8,000円で8時間労働なら、1,000円/時間となります。

労働時間の話からずれてしまいましたが、
労働時間がわかっていないと、給与計算も適正に出来ない為、
自社の労働時間について、今一度ご確認頂きたいと思います。

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★編集後記
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労務管理についての相談を受ける時に、
まず最初に確認するのがこの部分で、
明確でなければ、きちんと決めきります。

労働時間がはっきりしなければ、残業もはっきりせず、
残業代の計算もあやふやになりますので、
不安でしたら、一度ご相談頂きたいと思います!

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