出生時育児休業とはどんなものか?

社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。

今年は初めて「限定的ではありながら」本格的な、
子供の運動会に参加しました。

産まれた頃は、腕の中に収まるくらいだった子供が、
大勢の前でちゃんと色々なことをやっている姿に、
少し感動すら感じました。

自分も子供に負けないように日々前進しなければと、
子供の成長の姿を見ながら、あらためて感じました。

【出生時育児休業とはどんなものか?】
今年の10月に育児介護休業法の改正があり、
その中のひとつの大きな変更が「出生時育児休業」です。

令和4年9月12日のブログでも触れていますが、
今回はもう少し突っ込んで整理していきます。
10月からの新制度、出生時育休とは?

■ポイント
①産後8週間以内で取得する
②最大で4週間(28日間)取得可能
③2回の期間に分けて取得可能
④休業期間中も勤務が可能(協定等必要)
⑤育児休業と同様、育児休業給付、社保料免除あり

ひとつずつ見ていきましょう。

①産後8週間以内で取得する
出産した女性(母親)は「産後休業」となり、
出産日の翌日から8週間(56日)は休むことになります。

産後休業から連続して育児休業を取得する場合は、
産後休業が終わった57日目から取得することとなります。

この期間で、産後休業がない父親(もしくは出産していない母親)も、
短期間の休みが取れるというのが、「出生時育児休業」となります。

②最大で4週間(28日間)取得可能
①で産後8週間以内に取得すると書きましたが、
ポイントは「産後8週以内で始まり、終了すること」です。

つまり、産前期間から休みを取っている場合は該当せず、
産後8週間を超えて休んでしまう場合も該当しません。

従前は56日間、フルで休むこともできたので、
この点に関しては「改悪」と考えています。

少し話がそれますが、この休みはあくまで「権利」なのがポイントです。
「権利」ということは本人が使いたいと言ってはじめて休めます。
つまり、本人が休みを使う意向がなければ、使わなくてもOKです。

注意しなければいけないのは、「産後8週間を超えて休まない」ことで、
仮に産後8週間を超えて休んでしまうと、通常の育児休業取得となります。

今回、通常の育児休業も2回に分けて取れることになりましたが、
産後8週を超えて休んでしまうと、2回取れる育休の、
1回目を取ってしまったことになる為、注意が必要です。

③2回の期間に分けて取得可能
産後8週間以内で休むとして、28日間を連続していないといけないか、
という点に関しては「分割できる」となります。

ただし、法的には「1回目の休みを申請するのと同時に2回目も申請して」
となっています。

例えば「11/1から2週間休みます」と申請する場合、
2回目も取りたければ、それと同時に、
「あと12/1から2週間休みたいです」と言ってもらう必要があります。

あくまで「法律」がそうなっているので、1回目に申請があって、
後から2回目も取りたいです、という申請を認めるかは、
当該会社で決めて頂いてよいということになります。

④休業期間中も勤務が可能(協定等必要)
話を分かりづらくする制度のもう一つが、
「休業期間中も働ける」というこの制度です。

休業は「期間」で申請します。
例えば「11/1から11/14まで」となります。

本制度は「この期間中の休む日数、休む時間の
半分以下であることです。

国が示す例があるので紹介しておきます。

この制度を使う為には労使協定という文書を作成し、
その中で「産後育児休業中働かせることができる」という
協定をしなければいけません。

⑤育児休業と同様、育児休業給付、社保料免除あり
休業中は無給とすることで、雇用保険から、
「育児休業給付」というお金を受けられます。

また、一定の要件を満たすことで社会保険料も免除されます。

社会保険料免除に当たって注意したいのは、
下記2点のいずれかを満たす場合のみ対象となることです。
①月末を休んでいること
②当該月に14日以上、休業していること

育児休業を取れば必ず社保料の免除となるわけではないので、
ご注意頂きたいと思います。

【産後育児休業の必要性?】
このところ、出産が絡む男性社員(父親になる方)は、
かなり高い確率で休業を申出してきます。

人生でも数少ない「出産」というイベントを
家族で大切にするという流れが主流になったのだろうと思います。

ハラスメントなどもそうですが、時代にあった意識で、
労務管理も対応が必要だろうということと考えています。

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※web通信 前回のダイジェストです。

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★編集後記
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今回の育介法改正は、お客様に何度も説目していますが、
多くの場合「?」という反応が多く、私の説明の問題もありますが、
制度がかなりややこしくなっていると言えるでしょう。

正確に理解するというより、まずは「こんな感じだったな」
という感覚を持って頂き、細かいことはその都度、
専門のところに聞くというのが正しい対応のように思います。

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