中小企業の人件費を投資に変える「年輪型賃金制度」の作り方
山梨、静岡を中心に活動する人事のお医者さん、
人事制度構築士の中村仁です。
お盆休みもあっという間で、気の休まらないという
中小企業経営者も多かったのではないでしょうか?
今年後半も、気分を一新して、共に頑張りましょう!
【人件費を重視する!】
業績が少し悪化すると、真っ先に「人件費の削減」に頭を抱える。
一方で、好業績の年には大盤振る舞いをしてしまい、翌年の固定費負担に
青ざめる──。
中小企業の経営相談を受ける中で、こうした「人件費のジェットコースター」
に疲弊している経営者に数多くお会いしてきました。
「人件費=できる限り抑えたいコスト(経費)」と見なしている限り、
組織は強くなりません。
好不況の荒波に耐えうる強い組織をつくる鍵は、中小企業で注目される
「年輪経営」の思想を賃金制度に落とし込むことヒントがありそうです。
【なぜ、短期の成果主義は中小企業を弱体化させるのか】
大企業を模倣した過度な成果主義や、業績に連動して基本給が乱高下する仕組みを
中小企業に導入すると、ほぼ確実に次の問題が発生します。
・社員の視線が「今期の自分の数字」だけに狭まる
・失敗を恐れて新しい挑戦や後輩の育成をしなくなる
・業績が落ちて給与が下がった瞬間に、優秀な人材から他社へ流出する
樹木に例えるなら、枝葉(短期の売上)ばかりを急激に伸ばそうとして、
幹(組織の基礎体力)がスカスカになって倒れてしまう状態です。
年輪経営が教えるのは、「どんな天候の年であっても、毎年ミリ単位で
確実に年輪を刻み続けること」。
人件費とは、この幹を太く頑丈にするための「未来への設備投資」です。
【「年輪型賃金制度」を構築する3つの原則】
人件費を投資に変え、会社の体幹を鍛えるための賃金設計には
3つの明確なルールが必要です。
1.基本給は「生活の安心」と「積み重ねた人間力・職能」の年輪にする
基本給を頻繁に上下させてはいけません。
日々の地道な業務改善、周囲への好影響、企業理念の体現といった
「目に見えにくいが会社を支えている力」を評価し、毎年少しずつでも
確実に昇給する仕組みを整えます。
これが社員の心理的安全性を生み、会社への帰属意識の土台になります。
2. 業績の波は「決算賞与の明確なルール化」で吸収する
好況・不況の波は、基本給ではなく賞与(枝葉)でコントロールします。
「経常利益の◯%を社員に還元する」といったガラス張りの分配基準を
あらかじめ明示しておくことで、不況時に賞与が減っても社員は納得し、
好況時には全員で果実を分かち合う納得感が生まれます。
3. 労働分配率の「安全限界」を経営計画に組み込む
人件費を投資と捉える以上、無計画な昇給は禁物です。
過去数年の粗利益と労働分配率を精査し、「自社が持続的に年輪を
刻み続けるための適正水準(例:労働分配率45〜50%)」を固定指標
として設定します。
その枠組みの中で、社員の成長に応じた計画的昇給を設計します。
【仕組みの「年輪経営」へ】
「社員は家族だ」「人を大切にしよう」と口で言うのは簡単です。
しかし、それを担保する給与の仕組みがなければ、不況が訪れた瞬間に
その言葉は形骸化し、経営者と社員の信頼関係は崩壊します。
毎年、確実に年輪を重ねるように社員の処遇を高め、それに伴って
社員が自発的に組織の土台を支える。
10年後・20年後も生き残る中小企業の「折れない体幹」を
一緒につくり上げましょう!
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★編集後記
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中小企業は「自分のペース」で成長することが大切で、
背伸びをしつつも、無理な成長は会社の危機に繋がる
可能性が高いと考えられます。
低成長時代で大変な時代ですが、大企業のような
時代に合った経営ではなく、自社と社員の成長を
大切にする経営を進めたいものです。
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