中小企業にマッチしたポイント制給与改定とは?
山梨、静岡を中心に活動する人事のお医者さん、
人事制度構築士の中村仁です。
週末、山梨は観測以上最高気温を記録したそうで、
普通に人間が生きるのに適さない気候が
当たり前になってきている感じです。
ペットボトル症候群という、清涼飲料水の取り過ぎ問題もあり、
この夏も乗り越えるのは、かなり大変そうですが、
まずは健康第一で過ごしたいものです。
【中小企業にマッチしたポイント制給与改定とは?】
企業を中心に続いているベースアップの波。
「うちも賃上げをしないと社員が入らない、辞めてしまう……。
でも、一度上げた基本給は下げるのが難しい。」
そんな悩みを抱える中小企業経営者からの相談が急速に増えています。
世間の勢いに任せて無理な一律給与アップを行えば、将来の業績変動時に
資金繰りを直撃します。
リスクを抑えつつ社員の納得感とモチベーションを高める手法として、
中小企業に合っているのが「ポイント制給与改定(ポイント制昇給)」です。
なぜ「一律ベースアップ」は危険なのか?
大企業のように潤沢な財務力があれば一律のベースアップも可能ですが、
中小企業が安易に追随するのはリスクが高いです。
日本の労働法制上、基本給を一度引き上げると業績が悪化した際にも
不利益変更の手続きが難しく、将来的な固定費の肥大化に直結するためです。
重要なのは、「賃上げ=一律の基本給底上げ」という固定観念を捨てることです。
企業の収益力や社員個人の貢献度・成長に連動させた、持続可能な賃上げの
仕組みが求められています。
【「ポイント制給与」の基本的な仕組み】
ポイント制給与とは、職務の難易度、保有スキル、評価結果などを
「ポイント」として数値化し、獲得ポイントに応じて給与額や昇給額を
決定するシステムです。
一般的なポイント制の構成要素は非常にシンプルです。
役割・能力ポイント: 担っている職務の大きさやスキル水準に応じて付与(基本給のベース)
評価ポイント: 年間の成果や行動評価に応じて毎年加算(昇給の原資)
ポイント単価: 1ポイントあたりの金額(例:1ポイント=100~500円)
この仕組みの最大の強みは、「ポイント(価値の尺度)」と
「単価(支払能力)」を切り離して管理できる点にあります。
【中小企業にポイント制給与改定が適している3つの理由】
1. 業績変動に柔軟に対応できる
企業の業績が良い年は「ポイント単価」を高めに設定してしっかり還元し、
業績が厳しい年は単価を調整することで、固定費の肥大化を防げます。
評価軸そのものを壊さずに、支払原資をコントロールすることが可能です。
2. 「頑張りが給与に直結する」納得感が生まれる
「なぜこの給与なのか」「どうすれば給与が上がるのか」が可視化されます。
勤続年数に応じて自動的に上がる年功序列から脱却し、成長や貢献度に応じて
ポイントが増える仕組みになるため、若手や優秀な社員の離職防止に繋がります。
3. 制度のメンテナンスが容易になる
従来の複雑な給料表(俸給表)を全改定するのは莫大な労力がかかります。
ポイント制であれば、インフレ率や世間の賃上げ水準に合わせて「ポイント単価」
や「付与基準」を微調整するだけで対応できます。
【中小企業が導入する際の3ステップ】
①現在の手当や基本給を整理する
複雑化した手当や曖昧な基本給を整理し、「仕事の価値(役割)」と「個人の成果」
に分解します。
②分かりやすいポイント付与ルールを作る
例えば、「S評価:10ポイント」「A評価:7ポイント」「B評価:5ポイント」
のように、評価結果とポイント加算のルールを明確にします。
③自社の原資に合わせた「ポイント単価」を設定する
人件費予算から逆算し、1ポイントあたりいくらに設定するかシミュレーションを
行います(これは毎年度実施)。
急激な物価高への対応としては、一時的な特別手当と組み合わせる設計も効果的です。
当社ではポイント制給与の導入もサポートしています。
賃上げラッシュは、単なるコスト増加の危機ではなく、自社の給料の決め方を
「納得感のある仕組み」へ脱皮させる絶好の機会でもあります。
防戦一方の賃上げではなく、社員の成長と業績向上に繋がる人事制度の構築を
目指していきましょう。
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★編集後記
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昇給で差をつけるのは、実は結構難しい話で、
ポイント制は、自動的に決まる部分でとても使いやすいです。
昇給の仕組みでお悩みの経営者様は、
お気軽にお問合せ頂ければと思います。
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