36協定とは?従業員10人未満の小さな会社でも必要なのか、社労士が解説!
社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。
この3連休は久しぶりに「秋晴れ」という感じで、
こういう天気が続いたことで、今年の雨の多さを、
逆に実感しました。
よく、冬の日本海側は曇りの天候が多く、
気分が滅入るという話を聞きますが、
天候も気分に大きく影響しますね。
また、どんな天候であっても、自分の心身をすっきりさせて、
出来るだけ状態を良く保つというのは技術だな、と思います。
【36協定、知ってますか?】
日々、中小企業の経営者の方とお話ししていると、労働時間や
残業についてのご相談をいただくことがあります。
その中で、意外と誤解されているのが「36協定(サブロク協定)」です。
「うちは従業員が5人しかいないから関係ないですよね?」
「就業規則を作る義務がない会社だから、36協定も必要ないのでは?」
このように思われている経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、36協定は従業員の人数に関係なく、多くの会社で作成が必要です。
【① そもそも36協定とは?】
36協定とは、会社が従業員に法定労働時間を超える残業や、
法定休日の労働をさせる場合に必要となる労使協定のことです。
労働基準法では、労働時間について原則として次のルールが定められています。
1日8時間以内
1週間40時間以内
毎週少なくとも1日の休日、または4週間で4日以上の休日
このルールを超えて働いてもらうためには、会社と労働者代表で36協定を締結し、
事前に労働基準監督署へ届け出る必要があります。
逆に言えば、36協定の出ていない残業は違法状態となります。
つまり、36協定は会社が従業員に法定時間外労働や法定休日労働をしてもらうための、
重要な手続きなのです。
【② 従業員10人未満でも36協定は必要?】
従業員が1人の会社であっても、法定時間外労働や法定休日労働を
させるのであれば、原則として36協定が必要です。
よく混同されるのが「就業規則」との違いです。
就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する事業場で
作成・届出が義務づけられています。
一方、36協定には、そのような人数の基準はありません。
例えば、従業員が3人の会社で、通常は1日8時間勤務としている場合。
繁忙期に仕事が増えて、従業員に1日9時間働いてもらうのであれば、
原則として36協定が必要になります。
逆に、従業員が20人いても、法定時間外労働や法定休日労働が
まったくなければ、36協定の締結・届出は必要ありません。
大切なのは、会社の規模ではなく、実際にどのような働き方を
しているかということです。
【③ 36協定を出していないとどうなる?】
36協定を締結・届出せずに、従業員に法定時間外労働や法定休日労働を
させた場合、労働基準法違反となる可能性があります。
違反した場合には、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の
罰金という罰則が設けられています。
もちろん、すべてのケースで直ちに罰則が科されるわけではありません。
ただ、労働基準監督署の調査などで指摘を受ける可能性はあります。
特に小さな会社では、「忙しいときだけ少し残業してもらっている」
「従業員とは話がついているから大丈夫」といった感覚で運用している
ケースもあるかと思います。
しかし、従業員が残業に同意していることと、36協定を適正に
締結・届出していることは別の問題です。
「社員と話は出来ていた」という前提のトラブルは本当に多く、危険です。
【④ 36協定を出せば、何時間でも残業できる?】
36協定を届け出たからといって、無制限に残業させられるわけでは
ありません。
時間外労働の上限は、原則として「月45時間・年360時間」
と定められています。
臨時的な特別の事情がある場合には「特別条項付き36協定」を
締結することで、この原則を超えられる場合もありますが、
それでも法律上の上限があります。
また、36協定で定めた時間を超えて働かせることもできません。
会社の繁忙期や人手不足の状況を踏まえて、無理のない労働時間の
管理を行うことが大切です。
※一部の事業・業務や変形労働時間制などでは、異なる取扱いがあります。
【⑤ 小さな会社が確認しておきたい3つのポイント】
まずは、次の3点をチェックしてみてください。
1.36協定を締結・届出しているか
法定時間外労働や法定休日労働がある場合、事前に36協定を締結し、
所轄の労働基準監督署に届け出ているか確認しましょう。
2.労働者の代表者を適正に選んでいるか
36協定は、会社と労働者の過半数代表者などとの間で締結します。
社長が一方的に代表者を指名するのではなく、適正な方法で選出
する必要があります。
3.有効期間や残業時間を確認しているか
36協定には有効期間があります(原則は1年間)。
以前提出したことがあっても、現在の協定が有効かどうか、実際の
残業時間が協定の範囲内に収まっているかを確認することが重要です。
少し古い記事ですが、こちらも参考になさってください。
36協定と特別条項とは?
【小さな会社こそ、基本的な労務管理を大切に】
36協定は、決して大企業だけの制度ではありません。
従業員が数人の会社でも、法定時間外労働や法定休日労働を
させるのであれば必要になる手続きです。
小さな会社では、経営者と従業員の距離が近い分、お互いの
信頼関係で仕事が進むことも多いと思います。
ただ、信頼関係があるからこそ、知らなかったですまされない、
法律上必要な手続きはきちんと整えておきたいものです。
36協定は、単に労働基準監督署へ書類を提出するためのものではなく、
会社と従業員が安心して働くための基本的なルールの一つです。
この機会に、自社の労働時間や36協定の状況を確認してみては
いかがでしょうか。
社会保険労務士法人シャインでは、36協定の作成・届出や労働時間管理など、
スポットでの労務管理についてサポートも行っていますので、
気になることがあれば、まずはお問合せ頂ければと思います。
【無料相談受付中】
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★編集後記
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今でも「36協定を出していない」「36協定を出しているが、
始めて内容の事を知った」という会社は多くあります。
残業等についても法的には、本当に厳しい時代になりました。
まずは会社・社員双方が安心して働ける職場を作っていきましょう。
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