退職時の年次有給休暇の扱いは?
社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。
9月も半ばになろうというのに、まだまだ暑い。
週末に久しぶりに屋外でのイベントに参加しましたが、
倒れて運ばれる方もいた様子。
もうすぐ涼しくなってくるとは思いますが、
また気候の変化で対応を崩しそうなので、
体調管理には気を付けたいと思います。
【退職時の年次有給休暇の扱いは?】
長野労働局 年次有給休暇に関する相談
https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/_119807/mondai01_10/soudan7.html
※参考 Q4、Q5
年次有給休暇(以下「年休」)は、かなり強い権利で、
会社はその対応に苦慮する場面もかなり多くあります。
また最近は年休の年5日の取得義務が生じたことから、
何もしていないことも、また問題になるようになりました。
年休は法の基本を理解していないと色々間違えるのですが、
今回は「退職時の年休」の相談が割と多いので、
少しその辺りを整理してみたいと思います。
まず「退職時に年休を買い上げる必要があるか」
という質問です。
前提として、在職時の年休買い上げ、
つまり実際に休ませずにお金を払って年休を取得したことにするのは、
違法となりますので、必ず休ませる必要があります。
その上で、退職する社員が出てきた時に年休を買い上げてよいか、
ということですが、退職時に消滅する年休の権利分、
お金を支払うこと自体は違法とされていません。
例えば、年休10日分を残して退職する社員がいた時に、
その10日分に相当する金額を退職時に一時金として、
支給すること自体は違法にはなりません。
ただし、「買い上げ自体は義務ではない」ということもあるので、
消滅する年休は、そのまま消滅させるのが一般的です。
あわせて「年休を退職時に買い上げする場合、規則に規定が必要か?」
という相談も多いですが、規定がなくとも買い上げは可能ですし、
積極的に規定する内容ではないように考えます。
【退職時にまとめて年休を取得させるべきか?】
退職時にまとめて年休を取得させるべきか?
個人的には「そうしておくべき」と考えます。
というのも、最近は「年休を消化して退職する」
というのが一般的になってきているからで、
ここでごねる会社もありますが、いいことはありません。
年休をあまり消化していない社員から、
退職の申出があった場合は、年休消化についても、
一緒に確認をしておくとよいでしょう。
また、引継ぎなどの関係で年休消化で、
出勤しないと困る、というような状況の場合は、
前述した、年休の買い上げとセットにすることがあります。
どういうことかというと、退職まで実際に出勤してもらい、
その年休分を退職時に買い上げるという方法です。
前述のとおり、買い上げ自体は義務ではなく、
年休は本人が使いたい時に使えることが大前提です。
この方法を使う場合は、労働者と個別に同意を取りながら、
問題ないように対応するのが重要です。
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★編集後記
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最近、年次有給休暇の相談が続いたので、
今回は実務上の整理をしてみました。
わかっていないと「この対応は大丈夫?」と不安になりますが、
適正に対応するのは結構難しかったりすると思います。
誤った対応をしないよう、よく確認しながらの対応が重要です。
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