令和5年度最低賃金について

社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。

毎年あっという間と思いつつ、
今年も9月に入り、残り4カ月となりました。

自分では、一生懸命日々を生きているつもりでも、
振返ってみると、あまり何も進んでいなかったり。。。

本田技研の故・本田宗一郎氏は、
時間を大切にするために、自家用ヘリで移動していた、
なんて話を聞いたことがあります。

小さな差が大きな差を生む、ということを、
あらためて肝に銘じて日々の事に向き合いたいですね。

【令和5年度最低賃金について】
厚生労働省 全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34684.html

先月の18日に公表された上記内容で、
基本的には今年度の最低賃金の道筋が
ついたと言えると思います。

R5最低賃金の目安が示されました!」でも触れましたが、
今年度はランクを4つから3つに減らし、大きい方向性として、
低い額の県を大幅に上げていく流れにあったと思います。

その意味で、47円アップの佐賀県、島根県をはじめ、
Cランクの多くの県で目安として示された39円を、
大幅に超える上げ幅を示す結果となりました。

【今回の最賃アップの影響は?】
これまでも、最低賃金に張り付くかたちの金額での雇用が
数多くあるというのが実態で、例えば山梨あたりでも、
898円、900円という額は非常に多かったです。

今回、山梨でいえば40円アップ→938円となり、
すぐ上に見える区切りは「950円」です。

近年、950円がひとつの区切りでしたが、
950円は最低賃金がすぐそこに見えている額で、
求人的にはかなり厳しい額になってきたと言えそうです。

またより良い人財の確保、賃上げの空気感がかなり出ている中、
今年の10月以降は時給1,000円がひとつの心理的な
区切りになった行く感じがしています。

おそらく他県でも同じような状況が起きており、
見た目的にも「時給1,000円」という額が、
ひとつのスタンダードになるように思われます。

【2030年代には1,500円台に?】
8月31日には岸田首相が下記の発言をした、
ということで大きな話題となりました。

「最低賃金審議会で毎年の賃上げ額についてしっかりとご議論をいただき、
その積み上げにより、2030年代半ばまでに全国加重平均が1500円と
なることを目指してまいります」

今回の最賃上げでも、中小企業はかなり悲鳴を上げているところが多く、
この1,500円を実現しようとすると、40円台の賃上げが必要となるそうです。

世界的な賃金水準が低いと言われる中、
確かに自国の価値を高めることは必要です。

個人的には、「賃上げをすることは必要だろう」と思いますが、
あわせて「その為に政府が何をしていくのか」という点を、
はっきり示していく必要があると考えます。

今年で最低賃金の上げ幅も少し落ち着くと思っていましたが、
この点については、まだまだ継続していく流れと考えられそうです。

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★編集後記
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最低賃金の施策については、色々な方面から見ることが必要ですが、
今の上げ幅が続くこと自体が、本当に必要なのか、
そうであれば、どう実現させていくのかが重要です。

まずは今年の最賃のところで問題が起きないように、
しっかりとサポートをしていきたいと思います。

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