年次有給休暇のよくある勘違い!?

社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。

真夏本番という感じで、毎日体温のような気温が続きますが
皆様、お身体は大丈夫でしょうか??

このような暑さがずっと続き、一気に涼しくなる、、、
という感じになりそうですね。

命を落とすような危険な状況も想定されるので、
無理をしないで過ごしていきたいですね。

【年次有給休暇のよくある勘違い!?】
厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf

年次有給休暇(以下「年休」)について、
「みんなが使える」という理解は進んでいると思いますが、
「こういう勘違いが多い」というものを今回紹介します。

①年休は休みの日も使えるの?
②年休で付与する日数は決まっているの?
③年休は会社で勝手に消化させられるの?
④年休は退職時に消化させるものなの?

①年休は休みの日も使えるの?
例えば「土日休みの会社で土日も年休を使えるか」
というケースです。

結論的には「使えません」。

年休は「そもそも働く日の労働を免除(なくす)」
効果があるものなので、そもそも休みの日は、
「働く必要がない日」なので年休は使えません。

②年休で付与する日数は決まっているの?
厚生労働省 次年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf

年休で付与する最低限の日数は決まっています。
逆にこれ以上の日数を付与することは問題ありません。

週の労働日数および時間によって「比例付与」という制度もあります。

では、1日3時間で週5日、働ています。
こんなケースはどうでしょうか?

これは週の所定労働日数(決まって働く日数)が、
週5日となるため、時間は短いですが、
付与する日数は比例付与ではなく原則のものとなります。

たまに規則などで、この表を下回るような日数の表を
見ることがありますが、それは法的に問題となるので、
早急に修正することが必要です。

③年休は会社で勝手に消化させられるの?
原則「できません」。

例えば本人が病欠したような場合、勝手に年休扱いとすると、
これは問題になる可能性があります。

あくまで年休は「本人が申し出する」ことで使用するものなので、
勝手に会社がその処理をすることは法的に認められず、
病欠を年休扱いにする場合も「本人と確認する」ことが必要です。

2019年の法改正で、年休を年5日以上付与することが必要となり、
本人が全く申し出をしてこないという場合は、会社が指定して、
年休を付与するということは認められるようになりました。

ただしこの場合も「年5日、付与していない場合」に限られるので、
すでに5日以上付与している社員に対して、
年休の時季指定(会社が使わせる)ことはできません。

④年休は退職時に消化させるものなの?
「消化は必須ではありません」

近年、年休を使えるという認識が広まり、
退職時に「年休は何日ありますか?」という
確認をされる場面が増えてきたと思います。

インターネットの情報などでも「退職時は年休消化」
という話は多く見受けられると思われ、
これも一般的になってきていると考えられます。

ただし、年休は上記の通り「あくまで本人の希望で使用」
するものなので、会社から積極的に年休消化をさせる必要
まではありません。

また、引継ぎの関係でぎりぎりまで働いてほしい、
という場面も多くあるかと思われます。

年休の買い上げは法的に認められていませんが、
退職時に消滅するものを金銭で支払うことまでは禁止されていないため、
退職前に働いてもらい、年休分の金額を支払うということは実務上、ありえます。

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★編集後記
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今回、年休にまつわる相談でよくあるものを紹介しました。
特に「退職時の年休消化」は当たり前になった感があり、
事業主側が「与えないとだめですか」という場面が多いです。

法的に権利として認められているものなので、
やはり適正に対応することがとても大切です。

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