その有給管理、大丈夫?「年次有給休暇管理簿」で陥りがちな4つの落とし穴と対策
社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。
毎日暑いんですが、なんだかすっきりしない天気が
続きもやもやします。
最近の報道を見ていると、日本の猛暑は世界的にもきついようで、
まだまだ長期で続くでしょうから、この夏~秋にかけて、
体調管理をしっかりしていきたいものです。
【その有給管理、本当に大丈夫?】
「うちは社員が数人だし、Excelでなんとなく管理できて
いるから大丈夫」
「みんな仲が良いから、有給は口頭で申請・承認しているよ」
経営者のみなさん、そう思っていませんか?
実は、中小企業の労務管理において最も「うっかりミス(エラー)」
が起きやすく、労働基準監督署の調査でも厳しくチェックされるのが
「年次有給休暇管理簿(有給管理簿)」です。
2019年から「年5日の有給取得義務化」がスタートし、
それと同時にこの管理簿の作成・保存も企業の義務となりました。
しかし、有給のルールは意外と複雑。
悪気はなくても、いつの間にか「法律違反」の状態に
なってしまっているケースが後を絶ちません。
今回は、中小企業が有給管理簿の運用で陥りがちな
「4つのエラー」と、その対策を解説します!
【そもそも「年次有給休暇管理簿」とは?】
エラーを見る前に、まずは基本のルールを
サクッとおさらいしておきましょう。
有給管理簿とは、従業員ごとに有給の取得状況を
記録する書類のことです。
法律上、以下の3項目を必ず記載しなければなりません。
【保存期間のルール】
有給管理簿は、有給を与えた期間(1年間)が満了したあと、
3年間の保存義務があります。
ペーパーレス化が進む現在、紙でも電子データ(Excelやシステム)
でも構いませんが、いつでも出力できるようにしておく必要があります。
【有給管理簿でエラーを起こしやすい「4つの落とし穴」】
落とし穴1:パート・アルバイトの「比例付与」の計算ミス
正社員の有給は「半年で10日」と覚えやすいのですが、ミスが多発
するのが週3日や週4日勤務のパート・アルバイトスタッフの管理です。
労働時間や日数が少ないスタッフには、その勤務実績に応じて
有給を案分して付与する「比例付与」というルールがあります。
「週2日だから有給は出さなくていいや」と思い込んで管理簿すら
作っていなかったり、付与日数の計算を間違えて管理簿に登録したり
するエラーが非常に多いです。
週1日勤務であっても、半年働けば有給は付与されます。
落とし穴2:年5日義務に「時間単位有給」をカウントしてしまう
「うちは1時間単位で有給が取れる制度(時間単位年休)を導入
しているから、みんなちょこちょこ使って5日分くらいすぐ消化できているよ」
という会社は要注意です。
実は、法律で義務付けられている「年5日の確実な取得」において、
時間単位で取得した有給は「5日」の中にカウントできません。
•半日単位の有給: 0.5日としてカウントできる
•時間単位の有給: カウントできない
管理簿上で、時間単位の取得をそのまま「日数」に合算してしまい、
「年間で5日以上消化している」と勘違いするエラーが頻発しています。
落とし穴3:入社日がバラバラで「基準日」管理がむずかしい
従業員が入社した日ごとに「基準日(有給が付与される日)」
を設定している場合、全員の管理期限がバラバラになります。
例えば、Aさんは4月、Bさんは7月、Cさんは10月……となると、
「誰がいつまでに5日取らなければいけないのか」のデッドラインが
Excelの画面上で大混乱に。
結果として、管理簿の更新が追いつかなくなり、気がつけば
取得期限を過ぎていたというエラーが起こります。
落とし穴4:手入力による「転記ミス」と「更新忘れ」
Excelや紙の管理簿で運用している場合、一番怖いのが
ヒューマンエラーです。
従業員から有給申請書をもらったものの、忙しくて管理簿への
入力を後回しにして忘れてしまう。
あるいは、Excelの関数をうっかり書き換えてしまい、残日数の
計算が狂ってしまう。
これらは、労基署の調査が入ったときに「実態と管理簿の記録が
合っていない」と指摘される典型的なパターンです。
【中小企業が有給管理のエラーを防ぐための「2つの処方箋」】
「そんなこと言われても、これ以上労務に時間を割けないよ……」
という経営者の方へ、今すぐできる対策を2つご紹介します。
対策①:基準日を「一斉付与」に統一する
入社日ごとにバラバラだった基準日を、例えば「毎年4月1日」のように
会社全体(またはグループごと)で統一する運用に変える方法です。
全員の「有給をもらう日」と「5日取らせる期限」が同じになるため、
管理の煩雑さは劇的に減少します。
ただし、付与の仕方によっては入社日によって、付与日までの
バランスが多少悪くなったりもするので、導入には慎重に検討が必要です。
対策②:少人数でも「クラウド勤怠管理システム」を導入する
現代の最も確実な解決策は、Excelや紙での管理を卒業することです。
最近のクラウド勤怠管理システムは、従業員がスマホやPCから
有給申請をするだけで、自動的に有給管理簿が作成され、
残日数や「年5日取得」の進捗状況、アラートまで自動で管理してくれます。
「うちは10人未満だからシステムなんて大袈裟」と思われがちですが、
月数百円〜数千円程度で導入できるシステムも多く、経営者や担当者が
毎月Excelと格闘する時間(人件費)や、法律違反になるリスクを考えれば、
最もコストパフォーマンスが高い投資と言えます。
※弊社では月数百円~スタートできるKING OF TIMEというシステムの
導入をサポートしていますので、お気軽にご相談ください。
https://www.kingoftime.jp/function/vacation/
【有給管理は「仕組み化」でリスクをゼロに】
年次有給休暇管理簿の作成・保存を怠ったり、虚偽の記載をしたりした場合、
30万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、給与や休暇の管理がズサンな会社は、従業員からの信頼を失い、
離職につながる原因にもなりかねません。
実際、退職時に年次有給休暇関係で揉めることはかなり多いです。
「うっかりエラー」が起きやすい有給管理だからこそ、人の注意力に頼るのではなく、
ルールをシンプルにしたり、便利なITツールを活用したりして「ミスが起きない仕組み」
を作ることが大切です。
【無料相談受付中】
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★編集後記
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簡単に思えて結構面倒くさい年次有給休暇の管理。
このところのいろいろな法律に関しては、
社員の能力で管理するのはかなり無理が出てきています。
管理の手前はエラー会費を考えると、今回触れているような
システム導入も十分良い選択肢だと考えています。
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