令和5年度 最低賃金の同行は?
社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。
4月に入り、桜もとても美しく、
入学、進級、入社などなど、
空気を入れ替えるような話題がいいですね。
年度ごとで受ける役の入れ替えなどもあり、
私自身も公私共に、また新しい1年が始まります。
新型コロナについてもだいぶ空気的に和らいできた感があり、
このまま一気によい流れが国内に流れてくると嬉しいですね。
【令和5年度 最低賃金の同行は?】
首相官邸「政労使の意見交換(令和5年3月15日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/15seiroushi.html
本会議の中で岸田首相から、以下の発言がありました。
『最低賃金について、昨年は過去最高の引上げ額となりましたが、
今年は、全国加重平均1,000円を達成することを含めて、
公労使三者構成の最低賃金審議会で、しっかりと議論いただきたい
と思っております。』
最低賃金の全国の加重平均は、現在961円で、
今回の発言を文字通り取れば、平均40円程度の
賃上げの可能性が出てきていると思います。
以前の記事で、令和4年度の最低賃金について触れています。
令和4年度最低賃金と助成金(2022年8月15日)
【加重平均とは?】
企業の賃上げ額を賃上げの影響を受ける常用労働者数を計算に反映させ、
1人当たりの平均値を算出する方法をいいます。
※「単純平均」及び「加重平均」の具体的な計算方法は次のとおり。
企業A 賃上げ額: 2,000円 常用労働者数: 70人
企業B 賃上げ額: 1,000円 常用労働者数: 30人
単純平均:(2,000円+1,000円)÷2企業 =1,500円
加重平均:(2,000円×70人+1,000円×30人)÷(70+30)=1,700円
単純平均を国内でやろうとすると、全体の最低賃金額を
足して47で割ります。
加重平均だと、地域ごとで対象の労働者数が異なる為、
例えば人口が多い東京と人口が少ない鳥取県で同じ額を上げても、
国内全体で見た時の影響度が違う為、加重平均を使っています。
【実際はどうなりそうか?】
令和5年の春季生活闘争(春闘)は、多くの企業が、
賃上げに前向きな姿勢を見せています。
新型コロナウイルス禍の収束や、異例の物価高を受けて、
従業員の生活保障や人材確保の為に動いた結果と見られています。
そんな中、周りの中小企業を見渡してみると、経営の状況的に
中々そこに踏み込めないところが多いように見受けられます。
しかし、全体の流れで見ると「賃上げは必須」という状況でしょうから、
今回の最低賃金の40円アップは、想定しておくべき額と考えます。
政府は近年、この賃上げの流れをサポートする中のひとつとして、
業務改善助成金を推し進めています。
厚生労働省 業務改善助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
話では、昨年度までのような使いやすさは少し後退するようですが、
今年度も相当の賃上げが予定されると思われるので、
この助成金も検討の中に入れておくのが良いと思われます。
【令和5年5月のweb通信のご案内】
【テーマ】『近時の法改正のおさらいと対応について』
令和5年5月23日(火) 14時~15時
講師:社会保険労務士 中村 仁(社会保険労務士法人シャイン 代表社員)
参加費:無料
申込はこちらから↓↓
https://forms.gle/WWS7KzdEigbbxVLu9
※web通信 前回のダイジェストです。
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★編集後記
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パートタイマーが多い会社では、相当インパクトのある
最低賃金の上昇率が続きますが、今年度は、
ある意味、そのひとつの到達点といえそうです。
各社、賃上げに対する意識もかなり強まっていますが、
具体的な方策を取る為の予定を、
今のうちから進めていくのが大切かと思います!
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