小規模事業所に就業規則は必要か?
おはようございます、山梨県南巨摩郡身延町の
社会保険労務士法人シャインの代表社員、中村です。
うちの事務所は研修を受ける機会が多い方ですが、
今年度後半は、これまでにないくらい質量共に、
重要度の高い研修が多く、いち早く皆様に還元したいです!
【就業規則はそもそも必要なのか!?】
弊社が就業規則の作業に携わる機会は、
企業の大小問わず、常に何件かある感じで、
新規作成から、改定作業まで幅広く対応しています。
そんな中で、まず就業規則が必要な基準は、
労働基準法とういう法律の中に決められています。
『常時10人以上の労働者者(※)を使用している事業場では、
就業規則を作成し、過半数組合または労働者の過半数
代表者からの意見書を添付し、所轄労働基準監督署に
届け出る必要があります(労働基準法第89条、90条)』
※時としては10人未満になることはあっても、
常態として10人以上の労働者を使用している場合も
当てはまります。なお、労働者の中には、パートタイム
労働者やアルバイトなども含まれます。
参照:https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-4.pdf
簡単にいえば、正社員、パートタイマー問わず、
通常10人以上雇用している事業所においては、
就業規則を作成し、所轄労基署へ届出する義務があります。
【就業規則がないと罰則が!】
上記のように10人以上の労働者を使用する事業場が、
就業規則を作成・届出しない場合「30万円以下の罰金に処する」
と定められています(労基法 第120条)。
社労士に依頼するかはともかく、一定規模以上になると、
就業規則を作成し、届出しないと、罰則がある為、
一定の費用を掛けても作成をしておくべき、となります。
では、労働者が10人未満の事業所では、
作成しておくべきなのか?
個人的な考えとして、「一定の前提の下で、
あった方がよい」となります。
【労働者10人未満の就業規則は?】
就業規則は「会社の憲法」と言われるように、
労働者に対し、一定の義務を課すことが出来ますが、
同時に会社に対しても一定の縛りがかかります。
これは就業規則自体が、その会社の労働に関する
契約をまとめたものと言える為、
会社は規則に書く以上、守る義務が生じるということです。
ただし、規則がないと、例えば、
職場の秩序を乱す行為があった場合にも
注意をすることが難しくなったりします。
また、私傷病などで働けない労働者に対し、
休職命令を発動することができず、
解雇の問題が生じやすくなる可能性もあります。
こういうことが出来るので、規則作成のメリットがありますが、
同時に、会社の実態に合っていない場合など、
かえって規則があることが問題にもなります。
上記のように、規則は会社も守る必要があるので、
実際やっていないこと、出来ないことも、
そこに書いてしまうと労働者との約束となり得ます。
よく「うちの会社は規則がある」と数十年前のものに、
手書きで色々書いてあるものがあったりしますが、
これが一番、問題のある規則と言えそうです(汗)。
法改正にあわせた改正や、トレンドにあった規則の追加など、
就業規則を作る以上は、一定のメンテナンスをしないことが、
自ら雇用のリスクを高めることにもなりかねません。
労働者10人未満の事業所も、職場秩序維持の為に、
作成をして頂きたいですが、メンテナンスが必要な事も、
同時に知っておいて頂きたいと思います。
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★編集後記
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就業規則は社労士業務の中でも、
非常に重要度も難度も高い仕事です。
これに関しては時代のトレンドもあったり、
どこまで書くべきかという程度もあり、
画一的に「正しい」ものはありません。
小規模事業所の場合、悩ましくもありますが、
やはりしっかりメンテナンスをする前提で、
規則を作る方が労務管理は安定すると言えそうです。
※本記事の記載内容は、公開当時の
法令・情報等に基づいています。
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