36協定と特別条項とは?
社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。
春先頃までコロナもあり、あまり出ていませんでしたが、
このところだいぶ出ることが増えてきました。
またコロナの感染者が増えているようですが、
リスクとの天秤にかけながら、行動の制限は少なく、
出来るだけ活動していけるとよいと思っています。
【36協定と特別条項】
厚生労働省 「時間外労働の上限規制わかりやすい解説」
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf
まず労働時間と残業の整理から。
法律で「1週40時間、1日8時間を超えて
働かせてはいけない」となっています。
法定の時間超えて働かせる場合に、36協定が必要になります。
具体的には時間外・休日労働の約束を労使(会社と従業員)で締結し、
その内容を労働基準監督署に届出することになります。
今回はその36協定について、特別条項について確認していきます。
通常ですと1枚ものですが、特別条項が付く場合
2枚になります。
いきなり「特別条項」というワードが出てきていますが、
これがあるとないとでは大きな違いがあります。
通常の36協定は1月45時間、年360時間
(1年変形労働制の場合、月42時間、年320時間)が
上限となりますが、この上限を超えて働かせることが出来ます。
特別条項が付く場合の上限は、月100時間未満、
年720時間以内となります。
つまり、忙しい時期などに月45時間以上残業する場合、
もしくは1年間で360時間に残業が収まらない場合は、
特別条項を出しておく必要が出てきます。
【特別条項の記載の注意点など】
①臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合
一時的、突発的に残業が必要な場合に延長が認められる為、
「業務上、必要な場合」などでは要件として認められず、
「突発的な業務対応」「緊急的なトラブル対応」などになります。
②限度時間を超えて労働させることが出来る回数
6回が最も多くなります(年で6カ月まで可)。
回数を少なく書くことも可能ですが、
回数を超えてしまうと法違反となる為、注意が必要です。
③限度時間を超えた労働に係る割増賃金率
中小企業については、現状「25%」が下限です。
それ以上の率を書くことも可能ですが、
特別な事情がなければ25%としておけばよいと思われます。
④延長することができる時間数「法定労働時間を超える時間数」
この欄の上限は720時間です。
②と同じく少ない時間の記入が可能ですが、
法違反とならないようにするよう、注意が必要です。
⑤限度時間を超えて労働させる場合における手続き
月45時間、年360時間を超えて働かせる場合に、
どういった手続きを踏むか、を記入します。
ここに書いた手続きをきちんと守らないと、
特別条項の発動に問題が出てくる為、
法違反になる可能性が出てきます。
例にあるような「労働者代表者に対する事前申し入れ」
など、通知や申し入れとしておくのがよいと思われます。
⑥限度時間を超えて労働させる労働者に対する
健康及び福祉を確保する為の措置
「労働時間が一定時間を超えた労働者に医師による面接指導を実施すること」
「就業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保すること」など、
10の項目のいずれかを選択し、具体的内容も記入します。
この項目も記入内容自体は選択的なものとなりますが、
安全配慮の内容に関連する為、実際に生じた場合は、
具体的内容の記載事項の実施が必要となります。
まだまだ特別条項に関する理解不足が多いのが実態で、
この内容も誤りなどがあると、大きな問題に発展しかねない為、
現在の項目などについては、都度確認をして頂きたいと思います。
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★編集後記
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労働時間の関係の法改正があってから、
かなり時間が経っていますが、まだまだ理解されておらず、
大きなトラブルに発展することもあり得ます。
細かいこととはいえ、非常に重要な内容なので、
あらためて確認をして頂ければと思います。
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