春の昇給シーズン到来!「定期昇給」と「ベースアップ」の違いと中小企業の賃金戦略
社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。
年度が明けて組織の総会などの動きに合わせて
色々とバタバタしております
ホルムズ海峡関係の影響がじわじわ出てきているようなので
国内に大きな混乱が生じないことを祈っています。
【「定期昇給」と「ベースアップ」の違いと中小企業の賃金戦略】
春季労使交渉(春闘)のニュースが連日報じられ、
企業にとって賃金改定に向けた検討が本格化する
季節がやってきました。
昨今の物価高騰や深刻な人手不足を背景に、
「賃上げ」は企業規模を問わず喫緊の経営課題となっています。
しかし、ひとくちに「賃上げ」と言っても、その中身によって
意味合いや企業への影響は大きく異なります。
本記事では、混同されやすい「定期昇給」と「ベースアップ」
の違いを明確にし、限られた原資の中で中小企業がとるべき
賃金戦略について解説します。
【「定期昇給」と「ベースアップ」の違いとは?】
賃上げのニュースで必ず登場するこの2つの言葉。
まずは、それぞれの仕組みと目的を正しく理解しましょう。
《1. 定期昇給(定昇)》
あらかじめ定められた社内の賃金規定(賃金テーブル)に従って、
年齢、勤続年数、能力、人事評価などを基準に行われる昇給のことです。
特徴:
賃金テーブルという「階段」を、従業員個人の成長や勤続に伴って上っていくイメージです。
意味合い:
個人のスキルアップや貢献に対する報奨、または長期勤続の奨励。
《2. ベースアップ(ベア)》
基本給のベース(水準)そのものを一律で引き上げる昇給のことです。
年齢や勤続年数に関わらず、原則としてすべての従業員が対象となります。
特徴:
賃金テーブルという「階段」そのものを、土台から底上げするイメージです。
意味合い:
物価上昇に伴う実質賃金低下のカバー、従業員の生活水準の維持・向上。
《【比較表】定昇とベアの違い》

【なぜ今「ベースアップ」が注目されているのか?】
長らくデフレが続いた日本企業では、固定費増加のリスクが大きい
「ベースアップ」は敬遠され、「定期昇給」や「賞与(ボーナス)」
による還元が主流でした。
しかし現在、急激な物価高によって従業員の「実質賃金」は
目減りしています。
定期昇給による数千円のアップだけでは生活水準の維持が難しくなっており、
従業員のエンゲージメント低下や離職を防ぐため、企業には
生活防衛的意味合いを持つ「ベースアップ」が強く求められているのです。
【中小企業が検討すべき2つの賃金戦略】
大企業ほどの潤沢な資金がない中小企業にとって、
安易なベースアップは経営を圧迫するリスクがあります。
限られた原資の中で最大の効果を生むための
戦略的アプローチを紹介します。
《1. ターゲットを絞った「メリハリのある賃上げ」》
全社員一律のベースアップが難しい場合は、重点課題に
合わせて対象を絞る方法が有効です。
初任給・若手層の引き上げ:
採用力強化と早期離職防止に直結します。
「大企業に人材を奪われないための防波堤」として
優先すべき施策です。
キーマン・専門人材への手当拡充:
企業の成長に不可欠な中核人材をつなぎ止めるため、
基本給ではなく「役職手当」や「資格手当」の形で重点的に配分します。
《2. 「賃上げ促進税制」など支援策のフル活用》
政府も中小企業の賃上げを強く後押ししています。
コスト負担を少しでも軽減するために、国の制度を
徹底的に活用しましょう。
賃上げ促進税制:
前年度より一定割合以上の賃上げを行った場合、
法人税から一定額を控除できる制度です
(教育訓練費の増加や、子育て支援などと組み合わせることで
控除率が上乗せされます)。
各種補助金の加算措置:
「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」などにおいて、
大幅な賃上げを計画・実行する企業は審査で有利になる
(加点される)仕組みがあります。
【まとめ:賃上げは「コスト」ではなく「投資」】
春の昇給は、経営者にとって人件費増という重たい決断を伴います。
しかし、優秀な人材の確保と定着なしに、事業の維持・成長はあり得ません。
賃上げを単なる「コスト増」と捉えるのではなく、
従業員のモチベーション向上や生産性向上、そして採用力強化のための
「未来への投資」と位置づけることが重要です。
自社の財務状況と労働市場の動向を冷静に分析し、
経営陣の意志を込めた最適な賃金戦略を構築してください。
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★編集後記
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賃上げは中小企業に、待ったなしで
降りかかってきている課題です。
メリハリをつけて、戦略性を持たせることが、
これからの賃金設計においもて、非常に重要になりますので、
そういう部分もお気軽にご相談頂ければと思います。
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