最低賃金引き上げに伴う「残業代単価」の再計算と見落としがちな注意点

社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。

9月はなんだか休みが多いですね。
先週末も3連休で、稼働日が少ないと、
実務的にもスケジュールの注意が必要です。

給与計算業務はカレンダーによって、
支給日に影響が大きかったりもするので、
祝日が多い月は、本当に大変です。

今回の話題にもあるように、賃上げの話題もあり、
賃金額の見直しが増えてきているので、
給与計算の準備も大変になってきました。

【最低賃金引き上げに伴う「残業代単価」の再計算】
令和7年度 最低賃金についてはこちらをご確認ください。
令和7年度 最低賃金の答申が出そろいました!

10月から順次改定される予定の最低賃金、
時給・日給者の給与を見直すだけで
対応は万全でしょうか?

実は、月給制の従業員についても
大きな落とし穴が潜んでいます。

それは、残業代の計算基礎となる
「1時間あたりの賃金単価」です。

厚生労働省 割増賃金の基礎となる賃金とは?
https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/library/tottori-roudoukyoku/pdf/26kajyu_4.pdf

最低賃金をクリアしているか確認する際、
月給を月平均所定労働時間で割って
時給換算額を算出しますよね。

この時給換算額こそが、
時間外労働や休日・深夜労働の
割増賃金を計算する基礎単価になります。

もし、基本給は最低賃金を上回るよう
引き上げたのに、残業代単価の再設定を
忘れて古い単価で計算し続けると…

気づかぬうちに「未払い残業代」が
発生してしまうのです。

これは「給与計算ソフトの設定忘れ」という
うっかりも十分にあるので注意が必要です。

これは労働基準法違反となり、
後から従業員に指摘された場合、
多額の支払いや遅延損害金につながる
重大なリスクとなります。

特に、固定残業代(みなし残業代)を
導入している企業は、その基礎となる
単価の見直しが必須です。

あわせて、就業規則の規定も確認が必要で、例えば
「家族手当を基礎単価に含める」と規定していると、
法律では除いてよいことになっている家族手当も
支払い時に基礎単価に含める必要があります。

ちょっとした文書の誤りであっても、
それが「労働契約」として成立すると、
支払義務が生じることになります。

この機会に、必ず給与計算の仕組みを
確認し、不安であればお気軽にご相談ください。

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★編集後記
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最低賃金の改定は、今回ご紹介した、
割増賃金の計算のほか、実務的に色々影響があります。

人数が多い会社では特に注意が必要になりますが、
しばらく給与計算についてはよく確認をして、
未払い賃金等には十分注意して頂きたいと思います。

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