【社労士が解説】意外と知らない?「労働時間と休憩」の基本ルールと勘違いしやすいポイント
社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。
少し前に雪が降り、寒いな~とか言っていましたが、
この週末は一転、だいぶ暖かくなりました。
近年は「春がない」ということで、3月頃から、
暖かいを通り越して、暑いが始まってきそうな予感。
体調管理には十分気をつけないといけない
時期になりそうです。
【労務管理の基本中の基本、「労働時間」と「休憩」?】
日々の業務の中で、経営者様や総務担当者様から
最も多くご相談いただくテーマの一つが「労働時間」と「休憩」です。
「うちはカレンダー通りだから大丈夫」
「休憩は適当に取らせているから問題ない」
と思っていても、法律の細かい定義と実際の運用がズレており、
思わぬ労使トラブルに発展するケースが少なくありません。
今回は、基本中の基本である労働時間と休憩のルールについて、
中小企業の実務に即して分かりやすく解説します。
【①「労働時間」の2つの概念を区別しよう】
労働時間には、法律で決まっている上限と、
会社が決める時間の2種類があります。
ここを混同すると残業代の計算間違いが起きてしまいます。
法定労働時間
労働基準法で定められた労働時間の上限です。
原則:1日8時間、週40時間
これを超えて働かせる場合には、労使協定(36協定)の
締結・届出と、割増賃金(残業代)の支払いが必要になります。
所定労働時間
会社ごとの就業規則や雇用契約で決めた労働時間です。
例:9:00〜17:30(休憩1時間)= 実働7.5時間
【ここがポイント】
所定労働時間が7時間の場合、1時間残業をして
8時間働いたとしても、それは「法定内残業」となります。
法律上の割増(1.25倍)は義務付けられておらず、
通常の時給分の支払いで足ります
(就業規則で割増を払うと決めている場合は別です)。
【②「休憩時間」の正しい与え方】
「休憩」は、単に作業をしていない時間ではありません。
「労働から完全に解放されている時間」でなければなりません。
法律で決まっている休憩時間の長さ労働時間の長さに応じて、
以下の休憩を与える義務があります。
労働時間と必要な休憩時間
6時間を超える場合 ⇒ 少なくとも45分
8時間を超える場合少なくとも ⇒ 1時間
※「6時間ちょうど」の場合は、法律上は休憩を
与える義務はありません(もちろん与えても構いません)。
また、休憩の与え方には3つのルールがあります。
途中付与の原則:始業前や終業後に休憩を取らせることはできません。
「休憩なしで早く帰る」は法律上NGです。
一斉付与の原則:原則として従業員全員に同時に与える必要があります
(※労使協定を結べば交代制も可能です)。
自由利用の原則:休憩中の過ごし方は従業員の自由でなければなりません。
【③社長・担当者が陥りやすい「3つの勘違い」】
ここからは、実務でよくある「これって休憩?労働時間?」
というグレーゾーンについて解説します。
①「電話番」をしながらのランチ
「昼休みだけど、電話が鳴ったら出てね」と
指示していませんか?
これは「手待時間(てまちじかん)」とみなされ、
労働時間に含まれます。
休憩時間として扱うなら、電話当番を交代制にするか、
留守番電話設定にするなどして、完全に業務から
離れさせる必要があります。
②制服への着替え時間
着替えが会社から義務付けられている(制服や作業着など)場合、
その着替え時間は原則として労働時間になります。
「着替え終わってからタイムカード打刻」というルールに
している会社様は、運用を見直す必要があるかもしれません。
③喫煙やちょっとした私用
数分のトイレ休憩や水分補給は生理現象として
労働時間に含まれますが、頻繁な喫煙離席や長時間の
私語などはどうでしょうか?
これらは職務専念義務違反として注意指導の対象には
なりますが、即座に給与カット(労働時間から控除)
できるかは慎重な判断が必要です。
就業規則等で明確なルール作りをしておくことをおすすめします。
【まとめ】
労働時間と休憩の管理は、会社のコンプライアンスの土台です。
曖昧な運用のままにしておくと、未払い残業代の請求や、
従業員のモチベーション低下につながるリスクがあります。
法定労働時間と所定労働時間の区別はできているか?
休憩時間は「完全にフリー」な状態になっているか?
着替え時間や待機時間の扱いは適正か?
一度、自社のルールを見直してみてはいかがでしょうか。
「自社の就業規則が今の法律に合っているか不安」
「変形労働時間制などを導入して効率化したい」といった
お悩みがあれば、お気軽に当事務所までご相談ください。
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★編集後記
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よくわかっているようで、よくわからない「労働時間」。
実際、かなりしっかりやっている会社ですら、
グレーなルールが多くある印象です。
毎日のことだけに、大きいトラブルの温床もなりますので、
自社の労働時間関係については、出来るだけクリアにしておきましょう。
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