離職率が高い会社でチェックしたい「3つの項目」

社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。

だいぶ暖かくなってきたと思った矢先に、
一気に夏日のような感じになってきました。

子供も季節の変わり目で体調が不安定ですが、
同じく、大人も気をつけないと体調崩しがちなので、
つられて倒れたりしないようにしたいものです。

【求人費用の高騰】

社労士として仕事をしていて、最近「異常」と感じるのが
求人市場におけるビジネスの在り方。

弊社のお客様も色々な媒体を使ったり、
あの手この手で人を集めている感じがします。

数年前からネット求人の媒体も複数あって、
非常に金額も高騰していますが、結局「それを使うのが一番間違いない」
という話が多いのが実態のように思われます。

いわゆる「生産年齢人口(15-64歳)」は2000年代前半を境に、
減る一方で、その穴埋めとしてこれまで労働市場にいなかった
女性や高齢者の活用にスポットライトが当たっています。

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc135230.html

【入った社員が辞めてしまう問題】
求人が大変なのは非常にわかるのですが、
いくつかの会社においては「入ってもすぐ辞める」
という流れが続き、常に人が入れ替わる会社もあります。

そうなると、いかに人を上手に入れる仕組みがあっても、
穴の開いた入れ物のように、人が離れていってしまいます。

入った社員に対しても、少なからず教育などの
コストを掛けているとすれば、コストが常に
報われない状態となってしまいます。

また、人の入れ替えが多い会社では、
人手不足で既存社員の負担も多くなりがちなことから、
既存社員の離職の問題もはらんでいます。

当然、業界特有の難しさや待遇面の問題はあるとしても、
その前に「こういうところを直さないとまずいのでは?」
と感じる部分を以下に3点あげてみます。

① 条件通知を書面で行っていない
② 労働時間、残業時間の扱いが出来ていない
③ 年次有給休暇が取れない

各項目ごと見ていきます。

① 条件通知を書面で行っていない
最近、社労士会でも桃太郎と労務管理についての
話題が持ち上がっています。

全国社会保険労務士会連合会 ひとりになった桃太郎
https://www.shakaihokenroumushi.jp/Portals/0/resources/momotaro/

個人的に「安心感のない会社で働きたくない」と思いますが、
労働条件の明示などはその出発点だと思っています。

労働条件通知書は、法的にも書面で出すことが必要なので、
仮に出していないとすれば、まずはそれをしっかりしたいところです。

厚生労働省 労働条件通知書
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/youshiki_01a.pdf

② 労働時間、残業時間の扱いが出来ていない
小さな会社の場合、始業・終業の時間はなんとなくわかるものの、
1週間、1年間の労働時間がよくわからない、残業もどの程度あるか
よくわかっていないという会社が結構あります。

また残業時間はカウントしていても、残業時間に対する
残業代の支払い方法が独自のルールでやられている、
というような会社も少なくありません。

1週40時間、1日8時間を超えて働く場合、
割増賃金を支払う、など、法的に決められているルールもあるので、
まずはそうしたものをきちんとできているか確認が必要です。

その他、36協定の届出が出来ていない、
時間外上限規制を守っていないなど、
労働時間そのものの管理もこれからはより重要になります。

③ 年次有給休暇が取れない
以前の記事でも、業種などで年次有給休暇(以下、「年休」。)
年休が取れていない、というような内容について触れました。
中小企業の年次有給休暇の取得状況は?

今回言いたいのは、取れない職種があるのはそれとして、
そもそも「年休を整備する意思がない」ということです。

弊社のお客様のところでも、程度の差はあれ、
各社員の年休日数の把握と周知、
年間5日の付与義務部分について取り組んでいます。

最近は勤怠ソフトや年休管理のツールも出ていたりするので、
そうしたものをうまく使って、まずは「誰に何日あるか」
を確認するところから進めていくのがよいでしょう。

…これらが改善して、即離職率が改善するものでは
ないかもしれませんが、少なくとも、こうしたことは
すぐに改善が可能なものでもあります。

自社の取り組みで参考になる部分があれば、
是非、確認をしてみて頂きたいと思います。

【令和4年6月のweb通信です】
【テーマ】「変形労働時間制の活用法!」
令和4年6月21日(火) 14時~15時
参加費:無料

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※web通信 前回のダイジェストです。

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★編集後記
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人手不足に悩んでいる会社から、一足飛びに、
「〇〇な制度を入れたい」などの相談もありますが、
基本的な制度が出来ていなければ、効果も出づらいはずです。

何事も基本をしっかりやりながら、
次に広げていくということが大切だと思います。

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