社会保険料の天引きのタイミングとは?

社会保険労務士法人シャイン
代表社員の中村仁です。

毎年恒例、労働保険の年度更新の時期となりました。
今年は年度途中で雇用保険の変更もあります。
令和4年度の雇用保険料と年度更新

色々と計算や手続きが増える時期なので、
エラーが起こさないよう、しっかり職員と
乗り切りたいと思っています。

【社会保険料 変更のタイミング】

いわゆる「社会保険料」として、厚生年金保険、
健康保険(介護保険)となりますが、保険料の取り扱いは、
基本的にセットのようになっています。

社会保険料が変更となるタイミングとしては、
主に下記3つになります。

① 算定基礎届⇒9月
② 月額変更届⇒随時変更
③ 保険料率変更(健康保険が3月)

①~③が生じた場合に保険料の変更を行いますが、
この時に「いつの給料支払いの給料から天引きするか」
が問題となります。

【社会保険料の納付の仕組み】
給料からの天引きのタイミングの前に、
保険料の納付のルールを確認します。

日本年金機構 厚生年金保険料等の納付
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/nofu/nofu.html

例えば一般的な①算定基礎届のパターンとして、
「毎年9月」に保険料が変更となります。

国への納付は社員の天引き分とあわせて、会社が行いますが、
「当月分を翌月末」に納めることになります

つまり、9月分の保険料については、
10月末に納めることとなります。

【給料からはどのタイミングで天引きするか?】
では、社員の給料からどのタイミングで天引きするのでしょう?

これは「会社ごとで違う」ということになります。

社会保険料をどのタイミングで引くかまで、法律は決めていない為、
どこで引くかは会社が決定していく事になります。

現状、自社の保険料計算をするにあたり、
上記の保険料変更が生じた時に
「何月で保険料を変更しているか」になります。

例えば、算定基礎届を行い9月から保険料が変更となる場合、
9月の給料から変更する場合と、10月の給料から変更する場合があり、
経験上、多くの会社が「10月から変更」となっています。

まとめると下記の考え方になります。
9月変更の場合⇒ 当月分を当月徴収
10月変更の場合⇒ 当月分を翌月徴収

どちらが正しい、間違っているということはないのですが、
「当月分を翌月徴収」の方が社内手続き的には
処理がしやすい部分が多いと考えています。

面倒なパターンとしては、退職が絡む場面。

例えば9月10日に給料の支払いがあり、
そこで9月分の保険料を徴収したとします。

その後、9月15日に急遽退職したとすると、
当該社員の社会保険料は8月分までしか掛かりません(※)。

この場合、9月分の保険料を不要に徴収したことになる為、
10月に発生するであろう給与支払い時に返金するような
かたちになったりします。

実務的には色々なことが絡んできたりもしますが、
まずは「自社の保険料の天引きのタイミングは?」
を確認してみて頂ければと思います。

※今回細かい説明は割愛しますが気になる方は下記ご確認ください。
日本年金機構 月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の
保険料はどのようになりますか。
https://www.nenkin.go.jp/faq/kounen/kounenseido/hihokensha/20140902-01.html

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※web通信 前回のダイジェストです。

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★編集後記
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社会保険料の計算は、ソフト任せとなっている
中小企業も多いと思いますが、正しく計算されているかまで
確認できていない会社も割と多いのが現状です。

今回の内容も、実務的な影響が大きな部分でもある為、
一度確認をして頂くのがよいと思っています。

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