最低賃金と扶養の問題とは?
おはようございます、山梨県南巨摩郡身延町の
社会保険労務士法人シャインの代表社員、中村です。
このところ、寒暖差がまためちゃくちゃで、
変な風邪が流行っているという話も。。。
皆様も、体調にはお気をつけください。
【最低賃金がじわじわ上がる】
6月11日に経済財政運営の基本方針、
(骨太の方針)の素案が政府から公表され、
社労士に関わる話題もいくつかありました。
おそらくひとつの大きな関心ごとが、
「最低賃金の引き上げ」に関することで、
ここ3年間で、3%ずつ上がっています。
政府は、増税に備える意味でも、
全国平均1,000円を目指すとして、
今年は3%を越える最低賃上げを促すとのこと。
山梨でもつい最近まで700円台前半だったのが、
あっという間に800円を超えて、
今回の改定で800円台半ばに到達しそうです。
【働かせることのブレーキに!】
最低賃金が上がると、時間単価が上がり、
労働者にとっては、よりよい話です。
しかしその一方で、働きたいのに働けない、
という話を聞くことも少なくありません。
なぜか。
配偶者や家族の扶養に入っている場合、
一定額を超えると、負担が一気に増えてしまいます。
特に社会保険上の扶養、年間130万円の壁があり、
せっかく能力が高いパートタイマーなども、
労働時間を抑えざるを得ない状況が生じています。
【扶養される人の雇用のポイント?】
日本年金機構 適用事業所と被保険者
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/jigyosho/20150518.html
社会保険で扶養される労働者の雇用のポイントは、
大きく「労働時間」と「賃金額」です。
労働時間とは、金額に関わらず、
一定の労働時間を超えると、パートタイマー自身が
社会保険に入らなければいけません。
『1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が
同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の
4分の3以上である方は被保険者とされます。』
また年収要件もよく勘違いされますが、
1~12月の中で130万円ではなく、
今日現在から将来に向かっての見込みで判断します。
『年間収入とは、過去における収入のことではなく、
被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の
年間の見込み収入額のことをいいます。』
よく、年末に向けて年収を調整する、
ということが行われていますが、
社会保険の扶養においては無関係と言えます。
今後、最低賃金があがることで、
働かせたくて働かせられない、
という問題は増えていくと考えられます。
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★編集後記
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130万円の壁が、実態としては、
非常に高い壁になっていると考えられ、
同時に女性の社会進出の壁にもなっています。
おそらくこの部分は大きい政策転換の中で、
何かしらの変更が加えられていくと考えられます。
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