「所定」と「法定」の労働時間の違いとは?
おはようございます、山梨県南巨摩郡身延町の
社会保険労務士法人シャインの代表社員、中村です。
ただいま0歳児の育児に奮闘中ですが、
やればやるほど「お母さん」の大変さに気づきます。
ワークライフバランスはとにかく工夫が必要と思います。
【所定?法定?】
厚生労働省 『時間外労働の上限規制わかりやすい解説』
https://www.mhlw.go.jp/content/000463185.pdf
社労士としては「所定」「法定」の言葉遣いが、
職業病として身についてしまっていますが(笑)、
まず最初につまづくのがこの部分だと思います。
労働基準法で「1週40時間、1日8時間」を超えて、
働かせてはいけないと決められています。
この時間のことを「法定労働時間」としています。
また法定労働時間を超える場合には、
変形労働時間制などを取っていない場合、
「割増賃金」の支払いが必要となります。
なお「超えて」もひとつの重要な表現で、
「超えて」は「以上」ではないので、
「40時間」「8時間」ちょうどは含みません。
【所定労働時間】
では、「所定」労働時間を考えてみましょう。
例えば、パートタイマー(短時間労働者)をみると、
「1日6時間勤務」など多くあるでしょう。
これは会社との労働契約の中で、
「1日6時間働けばよいですよ」となっています。
この「6時間」が「所定」労働時間となります。
会社と労働者が、契約上で定めた労働時間が
「所定労働時間」となります。
もちろん、1日8時間の労働契約であれば、
8時間が所定労働時間となります。
【所定労働時間の難しいところ?】
例えば、1日7時間が「所定労働時間」とした場合、
日給が7,000円だった場合に、1日8時間働いた場合、
給料はどうなるでしょうか?
1日7時間働いて、7,000円であれば、
時間単価は1,000円となりますので、
8時間働いた場合、8,000円の支払いが必要です。
では、9時間働いた場合は?
1日8時間までは、通常の時間単価でよいですが、
8時間を超えて働く場合は、割増賃金が必要で、
この場合、8時間を超えた1時間は1,250円支払う必要があります。
所定労働時間を超えた場合の賃金の支払いは、
労使の定めによりますが、法律どおりにいけば、
所定と法定の時間がずれている場合、
残業をした場合の単価が変わるケースがあります。
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★編集後記
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労働法の説明をしている場合、理屈の前に、
この「専門用語」が説明を判りづらくしている、
そんなケースが非常に多いと感じます。
私も専門家だからこそ、誰が聞いても、
理解できるお話をしたいと、
常に考えながら、お伝えしているつもりです
(きっとまだまだ課題は多いですが…)。