年次有給休暇は中小企業にはないのか?

おはようございます、山梨県南巨摩郡身延町の
社会保険労務士法人シャインの代表社員、中村です。

この4月に付与義務が開始された年次有給休暇。
いざ取らせることが必要になり、規則など見直すと、
色々問題があったりで、今回はそんな絡みのお話。

【当社には年次有給休暇はない?!】

この4月から年次有給休暇(以下「年休」。)の
付与義務が開始されています。

厚生労働省
『年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説』
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf

これまで(かなり多くの)中小零細事業所は、
「うちには年休はない」「パートに年休はない」
で通ってきたところがあるように思われます。

しかし、今回の法改正を通じて、
「一定以上勤務している人は、パートタイマーであっても、
年間5日は年休を取る必要がある」とされました。

つまり「うちの会社に年休はない」は、
もはや通用しないこととなります。

【年休の付与日数についての誤解】
年休を付与することは差し支えないとしても、
今度はその「日数」が問題になってきます。

今回の法改正を受けて、真面目に年休付与を
しようとした時に、問題となるのが、
「現在付与されている日数」です。

中小零細では、かなり多くの場合、
「軸」となるベテランの社員がいらっしゃって、
そうした方は10年以上の勤務は当たり前。

では、そうした方々年休日数を確認すると、
「40日」という日数が出て来ます。

「うちの会社もこんな日数になりますか?」
と問われる事も多いですが(残念ながら?)、
これは法律で決められた日数となります。

【出来るだけ正直に向かい合う】
とてもそんな日数を与えられない。
これが率直な本音だと思います。

しかし、他の中小企業も、頑張ってこの数字に
取り組んでいます。

ここで、仮に実際の法律と違うことを社員に説明し、
後日、それが判ってしまえば大きな不信になります。

大変ですが「正直にお話しながら、前向きに
取り組めば、必ず乗り越えられます」と会社にお話し、
出来るだけ正直にお話して頂くようにしています。

今回の働き方改革は、これまでやっていなかったことを、
半ば強制的に進めるところがある一方で、
企業側はこのハードルを乗り越えないといけません。

「出来ない」という立場のままでは、
一歩もよくなりませんが、話をしながら、
色々考えると、何とかなることがほとんどです。

当然それが「抜け道」的なやりかたであった場合、
数年後におおきなしっぺ返しとなる可能性があります。

いきなり100点は無理であっても、
20~30点に近づけるように取り組むことが、
今後、数年で大きな差になると考えます。

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★編集後記
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4月の法改正で、「年休は取れるんだ」という意識が
働き手にしっかりと芽生えてきます。
「うちに年休はない」とは言えなくなります。

色々な職場の状況がある中で、突き詰めていくと、
今のやり方そのものを、ある程度変えていく、
ということが、現場でもかなり起きてきています。

※本記事の記載内容は、公開当時の
 法令・情報等に基づいています。

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