エストニアの会計事務所事情②

おはようございます、山梨県南巨摩郡身延町の
社会保険労務士法人シャインの代表社員、中村です。

12月に入り、年末まで予定もかなり入っており、
周りではインフルエンザなんて声も聞こえているので、
とにかく倒れないように頑張りたいと思います!

【エストニアの会計事務所視察:Leinomen】

フィンランド発祥、90名程の会計事務所で、
12カ国で活動しているという会計事務所。
視察に行ったところは45名ほど働いているということ。

ここで見えてきたことは、下記のようなこと。
制度的な説明が多かったので、
電子化に関する説明はあまりありませんでした。
① 社会保障、税について
② 国際的に活動している
③ 女性の就業率の高さ

【① 社会保障、税について】
視察に行ったのは会計事務所だったのですが、
仕事の中身を見ると、日本の税理士と社労士の仕事を、
両方兼ねているような感じのようでした。

税金の方は専門でないので触れませんが、
社会保障は、会社の負担が大きいという点は、
日本と同様ですが、会社が全額負担しているようです。

社会保障制度全体としても、話を聞く中では、
日本と比べると手厚いという印象でした。

例えば、妊娠中の女性や子供が3人以上いる場合、
健康保険料が免除となるというとのこと。

こういった場合も個人IDが活用されており、
医師が妊娠していると診断すると、システムを通じて、
手続きなしで保険料免除になるようでした。

同様に基本的には就職の際の手続きもなく、
雇用したときに国に雇用情報を送ることで、
必要な処理がなされるという説明でした。

その他、年金も基礎的な制度に加えて、
自分で選択で掛ける(個人年金的なもの?)
制度もあるようでした。

元々、社会保障を充実させてきたようですが、
制度の歪みもいろいろ出ているようで、
今、制度の見直しも検討されているということです。

【② 国際的に活動している】
これはEUという制度が大きく関係していますが、
EU圏内では国を超えてビジネスをするというのが、
割と普通という印象でした。

しかし、国ごとに制度が違うこともある為、
会計事務所としては、国内の制度に対応するだけでなく、
他国での事業に対するコンサルティングもしているそうです。

この辺りは、日本では少し想像し難いところですが、
国際的という意味では、まず外国人労働者の対応にはじまり、
やはり海外への事業展開も増えているので、
徐々に海外事業への対応も求められていくように考えられます。

【③女性の就業率の高さ】


こちらの事務所、説明をしてくださったのが、
すべて女性。
事務所でお会いする方もすべて女性。

「なぜ女性がこんなに活躍しているのか?」
という質問をすると、
「事務仕事をしたがる男性はいない。皆、社長をやりたがる」
という回答でした(笑)。

内訳を聞くと43名中、男性は2名のみ。
日本の士業事務所ではちょっと考えられない状況でした。

エストニアでは、会計業務のような仕事は、
「女性の仕事」というのが、割と当たり前なようでした。

テレワークに近い働き方も進んでいるようで、
労働法制が日本とは違うとは思いますが、
参考になる部分はあるのかもしれません。

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★編集後記
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制度の違いはもう少し細かいことも説明があり、
これについては、日本と比較してどちらがよい、
というのは考え方によるように思いました。

会計業務は女性のもの、という説明があった時は、
視察参会者一同、少しどよめきました(笑)。

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