評価と賃金は紐づけすべきか?

人事のお医者さん、人事制度構築士の中村仁です。

認定コンサルタント・人事制度構築士

この秋は、新型コロナ感染前のような行事の多さで、
割と1週間がさっと終わっていく感じがします。

日々やることがあるのはありがたいことで、
こういう状況が続くようにするというのが、
仕事をする上では大切だな、と思います。

【評価制度と賃金決定】
人事制度を入れるひとつの目的の中に
「賃金を公正に決定したい」という意見が多いと思います。

つまり「評価制度を使って、社員の頑張りを数値化し、
その結果を等級、賃金・賞与等に反映したい」ということです。

そもそも「評価が適正にできるか?」という問題はありますが、、、
そういうものがあった方が確かに賃金の決定方法なども、
社員にわかりやすい、というのは実際にそうだと思います。

例えばこんな感じの等級決定例。

また賃金のポイント例。

評価に応じて、社内の待遇が変わるという仕組みです。
多くの場合、人事制度を導入するというと、
こういう感じのものを思い浮かべるかと思います。

【評価と賃金(待遇)を紐づけすべきか?】
当然、人事制度なので評価が賃金などの処遇に
紐づけるというのが基本になります。

ある程度、規模がある会社の場合、
この制度に則って処理をしていく、
というのが原則になると思います。

弊社が相談を受けるケースが多い、
中小零細の会社の場合も、
同様に「ルールどうりいくか」というところです。

個人的には「評価はベースにするものの、
最後はその他要素を入れてもよいのでは?」
と考えます。

結局、中小零細の場合、最後の最後は、
「頑張っている社員の待遇をよくしたい」
という想いが多くあると思います。

「それを言ったら評価制度の意味は?」
となるかもしれませんが、評価をすべて無視するのではなく、
評価を8~9割、残り1~2割をその他要素とするものです。

【その他要素と待遇決定】
評価制度は「時の成果」だけをものさしにしておらず、
その時期に身に付けた能力や、どういった姿勢で仕事に臨むか、
という「仕事に対する全体を見る」という側面もあります。

成果はあまり出なかったものの、特定の仕事において、すごく頑張った、
評価されるべき成果をだした、ということもあるでしょう。

そういう時には「社長(会社)の想い」として、
少し待遇にその想いを乗せるということもよいでしょう。

特に「賞与」など、一時的に評価するものにおいて、
例えば「会社全体の賞与支給額の1割は会社が評価と別で、
支給額を決定する」などのやりかたです。

上に「公正に」という表現を使いましたが、公正にやろうとすればするほど、
制度がうまく機能しなくなる、という部分も実務上はあったりします。

そういう部分の穴埋め的要素として、その他要素を、
最終的な待遇に加味してあげる方法もよいでしょう。

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★編集後記
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中小零細の場合、細かくルールを作ったとしても、
それが足かせになる部分もあったりするのは事実だと思います。

軸となる部分はルールの中で走らせながら、
本体に影響しない程度に、最後の部分を調整できるようにしておくのも、
制度を上手に走らせるという意味で、良いことだと思います。

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