社員との接し方で「成果」が変わる!?
人事のお医者さん、人事制度構築士の中村仁です。
4月の年度切替があり、多くの組織で役員の改選など、
節目となることが多い時期かと思います。
今年度から、複数の組織で役を受けることもあり、
時間の使い方がとても難しいところもありますが、
出来る範囲で色々なことに取り組んでいこうと思っています。
【AIがジェンダーに与える影響?】
今回参考にするのが下記の論文です。
『Can Artificial Intelligence Improve Gender Equality?
Evidence from a Natural Experiment
(筆者:Leo Bao, Difang Huang, Chen Lin (2024))』
日本語に翻訳すると「人工知能は男女平等を改善できるか?
自然実験からの証拠」となるようです。
概要としては、中国で子どもの囲碁の教室があり、
コロナ禍で対面指導が出来なかったことから、
AIが指導者となって生じた事案の研究です。
注目すべきは、男女の実力差があったようですが、
女子の実力が一気に上がり、およそ5カ月で、
男女差がほぼ同等レベルになったということです。
この原因として触れられているのが、
「指導者側に男女での指導方法に違いがある」
ということのようです。
もう少し具体的には「指導者側に男性が多く、
男子生徒に対してポジティブな指導をする傾向があった」
ということです。
AIが指導者になることで、生徒の男女は関係なくなり、
特に女子からAIの指導者は評価が高かったようです。
【会社で同じことが起きていないか?】
これを実際の会社に置き換えた場合、どうでしょうか?
先生・生徒という立場でもこのようなことが起きており、
近い関係としては「上司・部下」ということになりますが、
「上司が持つ考え」がかなり部下の指導に影響しそうです。
ジェンダーとビジネス関係で有名な著書のひとつに、
シェリル・サンドバーグ(Meta(FACEBOOK) COO)の
「LEAN IN」があります。
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この書籍でも氏は「女性がビジネスをする上で、
見えない天井がある」とビジネス界にあるジェンダーの
問題を指摘しています。
実際、お互い人間で色々な人がいるので、
上司もAIのように振舞うというわけにはいきませんが、
こういった事実を知っておくことは重要に思われます。
つまり「上司側でもっているバイアス(※)(レッテル)」によって
部下の成果にも影響が出てしまう可能性があるということです。
(※)「バイアス」=「偏り」「偏見」「先入観」などを意味
評価制度においては「評価」という一つの軸を持つので、
個人の視点よりは正確になるとは思いますが、
評価以前のところで、こうした「思考・風土」はあるように思われます。
多様性と言われる世の中になっていますが、実際に関わる人が、
「多様性が当たり前」と根本的に思えるかどうかが、
これから人手不足時代の中でより重要になってくると感じます。
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★編集後記
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このところ、色々な組織を見ていても「女性が活躍している」組織は
生き生きとした活動をしているという印象を持つことが多いです。
それは「色々な人が働きやすい、活躍しやすい」環境があり、
風通しがよくなっているから、という部分があるからかな、
というような考えで受け止めています。
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