人事制度導を入れたら、効果はすぐに出るのか?
人事のお医者さん、人事制度構築士の中村仁です。
時期的に仕方ないですが、台風が来たり、
予想できなような大雨が降ったりと、
経営をする上で考えなければいけないリスクが増えています。
最近、業界的にも「ハラスメント」「配慮」といった、
「法律では白黒つけづらい取り組み」をしないと、
雇用をするのも難しい時代になってきました。
令和に入り、コロナ禍を経て、経営はこれまで以上に、
色々に難しい時代に入ってきていると感じるばかりです。
【人事制度導を入れたら、効果はすぐに出るのか?】
私自身、社労士もやっている関係で、
「雇用のルール」に関係する仕事も、数多くこなしています。
今思えばとてもお恥ずかしい話ですが、
開業してしばらくの間、就業規則などを作りながら、
すぐに変化が起きるような勘違いをしていました。
ルール自体が変わるので、実際に働き方や、
すぐ目に見えるものなどは変えることが出来ますが、
結果的に「間違っていた」と感じることが増えました。
それは、労使ともに「人間」なので、まずは会社の風土・文化、
関わる社員の考えや気持ちなど、「文書ごときを変えて、
大きく変わるものではない」と感じる場面が増えてきたのです。
私自身も雇用をしていて、ルールを変えることはありますが、
やはりそこに関わる人間を納得させたり、実際に動いてもらったり、
効果を感じてもらうなどしなければ、浸透しません。
世に多くの素晴らしい取り組みをしている会社があり、
そうした会社の真似をすることは部分的に出来ますが、
真似だけしても「すぐに効果はでづらい」と思います。
それはやはり、その組織・会社が長年かけて培ってきた、
経営者・社員との関係性、実際に取り組んできたこと、
風土や文化は一朝一夕には実現できないからだと思います。
「人事評価制度」などもそれと似ていて、
制度はあくまで「道具・ツール」なので、それを取り入れたとしても、
それが効果を発揮するかどうかはまた別問題です。
【多くの会社が悩んでいる「制度の運用」】
弊社が関わる前から、人事制度に取り組んでいるという会社から、
色々とお話を伺う場面も多くあります。
その中で「社員に納得してもらうことが難しい」
「社員から苦情のようなものが出ることが多い」
等のお話も多く伺います。
経営陣としては「社員のやる気を持たせたい」
「頑張る社員を評価したい」という想いで、
制度導入を始めていることも多いでしょう。
これは一概に、何が悪いというものではなく、
各社ごとの色々な事情があってうまくいっていない、
ということがあるように思われます。
先に書いた「他社でうまくいっているという取り組みのパクリ」
がうまくいかないようなもので、やっていることが似ていても、
やはり制度の運用や中身が違うのだろうと思います。
人事評価制度も、道具として入れることは素晴らしいことですが、
道具としてうまく使いこなす為に、時間も労力も、
それなりに必要になるというのは、どの会社も同様だと考えます。
私もよく「制度だけ入れてうまくいけば、どこでもやりますが、
人事評価制度を機能させるには、使い方が重要です」というお話をします。
例えば以前の記事で触れている「人事評価を機能させる面会の頻度は?」
というようなことです。
結論としてお伝えしたかったのが、結局、人事評価制度を入れても、
すぐに効果は期待できず、効果を出すような取り組みを数年かけて、
取り組んでいく必要がある、ということです。
その為、勢いで制度だけを入れるというような取り組みであれば、
もしかするとやらない方がよいかもしれない。
それくらい、しっかり取り組む想いを持って頂く必要があると考えています。
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★編集後記
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私も「導入すればすぐに効果がでますよ!」なんて、
軽々しく言いたいところですが(笑)、実際はそんなことはなく、
会社の風土を作るような一つの大きい取り組みです。
最初数年、練習のようなかたちで色々とやりつつ、
2~3年後に定着しだすという感じになりますが、
取組みはしっかりサポートをさせて頂きたいと考えています。
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