中小企業が導入すべき人事制度とは?

人事のお医者さん、人事制度構築士の中村仁です。

認定コンサルタント・人事制度構築士

気づけば、あっという間に夏休みシーズンです。
とはいえ、日中、外に出るのは本当に危険。

遊ぶところも選びながら、というような、
なんだか随分寂しい時代になった気がします。

【中小企業が導入すべき人事制度とは?】

「有名なあの会社と同じ制度を導入すれば、ウチも成長できるはず」

そう考えて、インターネットで見つけた大企業の立派な人事制度を
参考にしようとしていませんか?

実は、それが中小企業の成長を阻害してしまう
「大きな落とし穴」になっているケースが後を絶ちません。

【なぜ大企業の「完璧な制度」は失敗するのか?】

なぜ、立派なはずの大企業の制度が、
中小企業では機能しないのでしょうか。
理由は、その制度が「複雑で、重すぎる」からです。

◆複雑すぎる等級と評価項目
大企業の制度は、数万人を公平に管理するために、
何十もの評価項目や、10段階以上の等級が設定されています。
これを30人以上の会社で運用しようとすると、
社長や管理職は評価作業だけで本来の業務ができません。

◆文化や実態とのズレ
「グローバルな視点」や「部門間の連携」といった項目は、
目の前の顧客と向き合う中小企業の現場には馴染みません。
自社の価値観と合わない「借り物」の基準では、
社員の心に響かず、ただの義務になってしまいます。

◆「管理のための制度」になってしまう
何よりの弊害は、制度を運用すること自体が目的になり、
社員と向き合う「対話」の機会が失われることです。
結果として、血の通わないルールだけが残り、
社員のモチベーションを下げてしまうのです。

【本当に導入すべきは「シンプルな仕組み」】

中小企業が目指すべきは「完璧な制度」ではありません。
社長の想いを反映し、社員との対話を促すための
「シンプルな仕組み」です。ポイントは3つです。

1. 等級をシンプルに
まずは「スタッフ」「リーダー」「マネジメント」のように、
誰にでも役割がイメージできる3段階ほどの等級から始めます。

それぞれの等級で「何ができれば昇格か」を
シンプルな言葉で定義するだけで、社員の目標が明確になります。

2. 「期中の観察」をしっかり行う
立派な評価シートを作ることより、出来れば月2回、
15分の面談を行うことが社員を育てます。

制度はあくまで「対話のキッカケ」で、
「社員の行動を変える」ことが大切です。

仕事の進捗や悩みを気軽に話せる場を作ることこそ、
最高の評価制度と言えるでしょう。

3.社員に「未来」を示す
人事制度は、社員一人ひとりに対し
「この会社での未来」を具体的に描く設計図です。

等級制度がキャリアの道筋を示し、評価制度が
「次のステージに進むために何をすべきか」を明確にします。

自分の成長が、会社の成長とどうリンクし、
将来の役割や待遇に繋がるのか。
その道筋が見えることで、社員は挑戦できます。

…中小企業の人事制度は、社員を「管理」するためのものではなく、
社長と社員が同じ方向を向くための「対話のツール」です。

大企業の立派な鎧を借りるのではなく、
自社に合った、身の丈の服を仕立てること。
それが、会社と社員を本当に強くすることに繋がります!

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★編集後記
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中小企業は「その会社のカラー」があることが
とても大切だと思います。

その為「パッケージ版」の制度を入れても、
機能せず「うちの会社が求める人財」にあった
人事制度設計が重要です。

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